オフラインは人災ではなく災害だ
日本では聞いたことがない業務停止時の原因に使うオフラインという用語。
本社と支店を結ぶ専用線を使った業務が何かの原因で不通となり業務が停止してしまうことだ。
とくにフィリピンの銀行では頻繁に発生し、まるで大地震や台風のような人知を超えた災害扱いとなる。
そうなると、銀行への預け入れおよび引き出しは全面的にストップしてしまう。
すべてのカウンターにOFFLINEという文字
日本だと一面ニュース扱いの大事件だが、フィリピンは逆にお祭り状態。
コネ入社の受付嬢は水を得た魚のように遊び放題だ!
まるでOFFLINEという名のファイヤーウォールによって守られているような感じだ。
毎日が非常事態のフィリピン生活によってすっかり諦め上手になった私は冷静にカウンターまでノコノコと行ってこう尋ねてみた。
「We don't know Sir」
銀行の受付嬢は我関せずといった顔で楽しそうに答えた。
明日復旧する見込みがあるかどうか、彼女には関係のないことだ。
いやむしろ明日も明後日もずっとオフラインでいて欲しいと願っているのかもしれない。
“オフライン”だから焦っても仕方がないというのがフィリピンという国全体の心なのだ。
それを象徴するのが、いつ再開するともわからないオフライン状態の銀行の待合でただじっと座っている客達の姿だった。
出口の見えないトンネル状態の中でも動じない人々。
イライラしたり怒鳴っている人なんて誰もいない。
たとえ5時間待っても無駄かもしれない中でボーーーーーーっと座り続けることを凄い胆力だと呼んで良いのだろうか?
オフラインという状況でイラつくどころか、逆にそれを楽しんでいる雰囲気さえある。
フィリピン人に時は金なりという言葉は通じない。
なぜなら時間というものに一切の価値を感じていないのだろう。
だから1時間でも2時間でも平気で待てる。
たとえ仕事に支障があってもオフラインだったからという免罪符を掲げると許されるのだ。
私も随分諦め上手になったつもりだが、キャツ等の足元にも及ばない。
フィリピン人こそが人生の達人なのかもしれない。
しかし、もしそうだとすると何だか頭が変になりそうだ。
この国が1㎜も安定的に発展しない理由はやはりこの受身で従順な客達によるものだろう。
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