ある日のセブ市エスカリオ通りマクド。
通勤途中のフィリピン人でごったがえする中、我関せずパソコンを広げるフィリピン人男性がいた。
TOSHIBA!
私は心の底に沈殿していた激しい郷愁を抑えることができなかった。
その文字の書かれたLaptopパソコンをリアルに見たのは何年ぶりだろうか?
SMシティーセブのエスカレータ前にあるTOSHIBAの専門店はまさにシンボル的存在だった。
信頼の証、MADE IN JAPAN。
店内に入ると正面の壁には堂々とTOSHIBAの文字が目に入る。
しかし、今は昔。
まるで廃墟のように文字だけが残り、店内に陳列されている商品はすべて台湾製。
店内にはかつて栄華を誇ったTOSHIBAの文字がこの世の栄枯盛衰を無言で語る。
フィリピンセブ島。
私にとって縁もゆかりもない修羅の地で生きて行こうと決めた10年前。
楽しそうにふるまっているが、実は大人げなく泣きそうになる瞬間も沢山あった。
そんなときに、日本製の車、オートバイ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、パソコンがフィリピンの第一線で活躍している姿に何度救われたことか。。。
もちろん自分が作ったものではないが、日本人として非常に誇りを感じ勇気をもらった。
日本ではごく当たり前の存在だった物が実は物凄いレベルであることをフィリピンという変な国でしみじみ思う。
しかし、残念ながら海外から急速に姿を消してゆく多くの日本製。
戦後急激に成長した日本経済。
急激に上ったものは急激に落ちるのが宇宙の真理だ。
セブの日本製パソコン最後の砦だったTOSHIBA。
日本の技術やそれを生み出した日本流はこのまま無形世界遺産と化してしまうのだろうか?
フィリピンに本当に必要なのはバラマキの一兆円ではなく、物を作りだし運営するシステムだろう。
栄枯盛衰はこの世の習い。
将来日本と日本人が消滅してしまうのは必至だが、日本の知恵とマインドと技術を世界に引き継ぐことで日本は永遠の物となるだろう。
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