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Gengue Alart(デング熱注意報)
2019年7月に入り、フィリピン全土にデング警報が発表された。
フィリピンではデング熱ではなくDengue fever(デンゲフィーバー)と呼ばれる。
統計によると3、4年周期でデング熱が大流行するらしい。
今年のデング熱の規模だが、前回大流行した2016年を上回る勢いでスタートしている。
年度当初の1月から6月までに報告されている患者数だけでも10万人にのぼり、昨年比の1.85倍の増加。
既に犠牲者は456名にのぼり、今年上半期だけで既に昨年1年間の累計を大幅に上回っている。
世界保健機関の発表によると、全世界で毎年約100万の人が感染し、このうち重症化して入院が必要となる患者は約50万人で犠牲者数は約1万2500人に上るらしい。
2016年9月、私も流行に乗ってデング熱を発症し10日間の入院生活となった。
当時も既にフィリピン全土にデング熱警報が発令されていたが、今年もセブ市街地やマクタン島で猛威を振るうのは8月から9月にかけてなのかもしれない。
その時期にセブへ留学や旅行で行く人は蚊がいなくなるスプレー必携だ。
本ブログで何度もデング熱について触れているのだが、何度も書きたくなるほど衝撃的な恐怖体験だった。
今回は日本ではありえないフィリピン医療の衝撃的実態を明らかにするために、自分自身の入院体験を基にフィリピンで入院するリスクをいくつか挙げてみたい。
CNNニュース記事
その1 診断のリスク
さて、今年フィリピンで猛威を振るっているデング熱の症状だが、私のケースをざっと説明してみたい。
ある日突然なんの前触れもなく高熱が出る。
インフルや風邪の場合、喉が痛かったり咳が出たりする予兆があるが、全くそういう前触れがないのだ。
私の場合、明け方に発熱し、体温計で測ってみると38度強だった。
しかし、インフルや風邪の時も熱だけならそれくらい出るので発熱した時点では全くデング熱とは思わなかった。
それから発熱は続き、その日のうちに頭痛を併発。
頭痛の種類だが、私の場合は頭全体がボワーンと痛むタイプではなく、特定の箇所が痛み続けるタイプだった。
特定の箇所とは左の後頭部の下部と左の前頭部がピンポイントで痛む。
よく目の奥が激しく痛むという情報を見るが、私の場合は目の奥に痛みはなかった。
翌日、症状はさらに悪化し、体が強烈にだるい。
思わず、最寄りのマッサージショップでヘッドマッサージを1時間やってみた。
しかし、1時間のヘッドマッサージで頭痛が収まることはなかった。
発熱から2日後、下痢をしたり食欲がゼロとなり、体の基本的機能が低下して行った。
ついに病院で血液検査をすることになった。
しかし、その時の検査結果ではデング熱の反応は出ていなかった。
頭痛薬だけ処方してもらい、家に戻った。
重度の食欲不振。
食べ物の匂いを嗅ぐだけでオエっとなるレベル。
まるで妊婦さん状態だった。
何も食べないまま翌日さらに症状は悪化し体はすっかり衰弱した。
このままでは本当にやばいと思い、点滴をして回復を図ろうと再度病院へ行った。
そして、もう一度血液検査をしたら、はっきりとデング熱の反応が出ていたのでその日から即入院となった。
発疹が出来ていなかったらデング熱じゃないという噂があるが、それは真っ赤なウソで、発疹は峠を越した当たりから好転反応の一部として出てくる。
しかも私の場合、発疹というより全身がユデダコみたいに真っ赤になった。
ちなみに、日本でもガンの見落としで命を失ったりする報道を見かけるが、フィリピンの場合、ガンじゃないのにガンだと診断されたりするのでフィリピンの医療機関の言うことは信用できない。
その2 点滴針のリスク
私が入院決定となった日は休日だったのでERでの処置から始まった。
結果論だが、平日にクリニックで遅刻してくるドクターを長時間間待たされ、それから血液検査場に移動して採血し、数時間後に結果をもらってまたクリニックへ戻ってようやくデング熱だと診断される気の長くなるパターンより合理的だった。
ここからフィリピンの病院の恐怖が始まる。
ERのドクターからデング熱と診断され、病室へ移動する前に点滴を装着する。
ここからが本当にヤバかった。
ERに常駐の男性ナースが私の手の甲に点滴の針を刺そうとするが、なかなか入らない。
無理やり入れようとするのでその都度激痛を伴った。
何度も失敗し、彼は先輩ナースを呼びに行った。
しかし、連れて来られた先輩ナースも下手クソで、私が痛がっていると「これで痛いはずはない」と頭ごなしに言い放ち、中途半端な状態で点滴の針を入れられそのままテーピングされた。
デング熱に冒されERで暴れる気力もない私は仕方なく我慢しながら病室へと車椅子で運ばれた。
特に治療もなく、24時間寝せられてずっと点滴をするだけ。
点滴している側の手がグローブみたいに腫れ、点滴を入れ替えに来たナースに見せたところ、点滴の針を変えてくれた。
歳の頃はそうさのぉ38歳位でなかなかのグワパだった。
グワパは無表情のまま私の左手の甲に刺さっている針をさっと抜き、今度は右側へ入れてくれたのだが、嘘のように一発で決まり痛みもない。
やはりプロがやると痛くないのだ!
ナースはグワパに限ると痛感。
その3 入院食のリスク
日本人がフィリピンの病院に入院すると衝撃を受けるのが入院食。
オイリーで塩辛いオカズとてんこ盛りのライスが象徴的。
入院した日の最初に運ばれてきたのは、映画でよく見る囚人食に似たようなトレーに入れられ、塩辛いスクランブルエッグとライスとバナナがポンと置かれていた。
デング熱よりも高血圧とか併発しまいそうな予感。
私は一層食欲を削がれてしまった。
日本の病院食のカロリー基準を大きく上回る。
その4 不眠症のリスク
1日に何度もナースがやってくるのだが、深夜過ぎても頻繁にやってくる。
当然ながら患者はその都度起こされるので眠ることが出来ない。
体温や血圧、採血などで頻繁に病室を出入りをするのだ。
そして不眠のため体調はなかなか回復せず入院が長引くというシステムだ。
これはフィリピンの病院に入院した日本人にとって課される試練ともいうべきフィリピンあるあるシリーズ。
その5 輸血のリスク
デング熱で入院していた時に、ナースが1日2回採血しに来た。
それから血小板の数値を告げられるのだが、ある基準を下回ると輸血の可能性が出てくる。
「そろそろ輸血のドナーを探しておいて」
セブの病院の場合、自分で輸血のドナー探しをしなければならないのだ。
犬に噛まれた時も薬局に自分で狂犬病用の注射液を買いに行かされた。
きっと病院に入院させて頂いているという前時代的なマインドが強いられる世界だ。
しかし、フィリピンでは隠れ肝炎や免疫不全のあの病気が蔓延し、迂闊に他人から血液を貰うのが怖い。
やはり、信用できる同じ血液型の友達を見つけて輸血同盟を結んでおくべきなのだ。
その6 過剰請求のリスク
日本人はフィリピンでは上等のカモだ。
手術が伴うと、内科、外科、麻酔科などのドクターがそれぞれの名前がドアに書かれ、ついでにそれ以外のドクターも代わる代わるやってきて様子を伺うだけなのに課金される仕組み。
まるで病院とドクターにとって患者は絶好のカモ状態。
よってたかって課金されるのだ。
高すぎると文句を言うと少し安くなったりする不明朗会計な世界だ。
そして、ドクター代のみならず、薬代を重複して二重請求されたりすることも頻繁にあるので、自腹での支払いの人は十分に請求書の中身を確認した方が良い。
付録 デング熱入院は15万円
海外での医療費は高い。
先日の記事ではフィリピン国内で知人が16日間入院し110万円の請求がきたということを書いたが、デング熱の場合、手術を伴わなければ100万円をこえるような高額請求にはならない。
私の場合は10日間で7万ペソかかった。
日本円で15万円だが、たかが点滴しながらベッドへ横たわるだけでそんなに請求されたらたまったもんじゃない。
やはり海外では日本の誇る国民健康保険のありがたみが身に染みる。
私の場合はフィリピン国内で入れる民間の医療保険に入っていたので差額ベッド代の7000ペソ程度で済んだが、もし全部自腹となるとかなり辛い。
留学や旅行で海外旅行傷害保険に入らずフィリピンに来るなんて武器を持たずに戦場へ行くようなものだ。
まとめ
やはり日本の病院は患者様は神様で、患者主体というのが最近でのスタンダードだ。
しかし、フィリピンはまだまだ病院側主体の世界で、入院させて貰っているという気持ちがないとダメなのだ。
日本人は基本的にプライベートの高級病院へ入院するので庶民が利用する野戦病院とは大きくことなる。
しかし、それでもはやり上に挙げた項目が日本人にとってのリスクとなる。
これだけ聞けばフィリピンでは絶対に入院したくなくなるだろう。
ぜひ健康第一でフィリピン留学や旅行を楽しんでいただきたい。
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