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階級社会フィリピンの内訳
フィリピンは日本で言えば江戸時代のように明確な身分社会であると言われるが、実際に現地の人たちも相当にその事を意識しながら生活している。
まだフィリピンと深くかかわる前、東南アジアといえば日本と比べなんとなく野蛮で貧困というイメージだけがあったが、そこに歴然とした階級があるということを知ったのは日本で関わったフィリピン人との会話だった。
かつて北九州の旧スペースワールドでデートをしたH子によれば、フィリピンではお父さんの呼び方でその家の階級が分かるという。
- 富裕層 ダディーまたはダッド
- 中間層 パパ
- 貧困層 タタイ
彼女は「自分の家は貧困層だから父親はタタイ」だと笑っていた。
ちなみに、うちのカワイイちゃんは私を呼ぶ時にパパだが、以前あるフィリピン人から「なぜダディと呼ばせないのか」と言われたことがある。
日本人はみな富裕層だと勘違いしているのだろう。
そうやって常に自分の階級を社会に向かってアピールするのがフィリピンスタイルなのだ。
そして、もう一つのアピールが英会話力。
フィリピンでは英語が流暢に話せるということが一つのステイタスとなっている。
よくフィリピンのドラマでもタガログ語を話しているのに突然英語にスイッチすることがあるが、あれは自らが富裕層であるというマウント作業が行われているらしい。
謙遜が美徳とされる日本とは真逆の世界。
実際、富裕層は家庭内でも現地語を話さないという仕来りになっており、間違ってその子息や令嬢に現地語で話しかけると「ビサヤ語分かりません!」とドライに言われてしまう。
もし分かっていても、分からないフリをするのが一層のステイタスなのだ。
以前マクタン島のシャングリラでビサヤ語で尋ねたら「すみません、英語で話してください」と言われて血の気が引いた事があったが、まさに上流階級社会という棲み分けの象徴なのだろう。
最近では少し曖昧になってきたが、ショッピングモールでも庶民用かアッパー用かというコンセプトがはっきりしており、富裕層であるという自覚のある人は庶民層の集まる場所へは行くべきではないという教育を受け、逆に貧困階級の人がアッパー層の行くエリアに紛れ込むと落ち着かない。
また、日本人と異なりフィリピンは身なりでその階層を判断する。
だからフィリピン人は服装をやたらと気にするのだ。
日本人が気にする以上に身なりで相手の階級を判断している。
旅行へ行くというのも富の証であり、フィリピン人がやたらとフェイスブックに旅行に行った時の写真ばかりアップするのはそういう裏事情があるのだ。
まさにフィリピン人にとってフェイスブックやインスタグラムは見栄の張り合い大会だ。
所得による区分(月収)2018年状況
フィリピン人は自らの社会のランクをAからDの4段階で表現することが多い。
セブで「ダト(お金持ち)」と呼ばれるのはAとBとCの上層部で、Cの下層からDにかけてポブレ「貧乏人」という区分けがなされる。
フィリピン政府「PSA(フィリピン統計局)」によれば国民を所得に応じて7段階で分けている。
フィリピン社会の棲み分け
2018年のPSA(フィリピン統計局)の発表
ざっくり言うと
月収2万ペソ未満の人は貧乏人
月収12万5千ペソを超える人はお金持ち
現地採用の日本人は典型的な中間層となる pic.twitter.com/uLh2KwexxI— モト ボサツさん@子供と成長中 (@motobosa02) October 25, 2020
実に、58.4%が貧乏人(低所得層)に属し、中間層が人口の約40%を占め、富裕層に分類されるのはわずか1.4%。
これを4階層に凝縮すれば、2割のお金持ちを8割の貧乏人が支えているという構図になる。
最も貧しい「G 貧困層」は路上生活やバラックで生活しているような人たちを指す。
子供は小学校にもきちんと通っていないケースが多く、路上で水や果物を販売したり、物乞いをしている。
「F 低所得者」は大学も卒業している人も多いが、コネの無い人は頑張ってもFランクから這い出す事は難しい。
具体例を出すとコールセンターや語学学校の先生がここに該当する。
大学を出てもコネがなければ一生懸命働いても低所得者層となってしまうのが現状。
日本も最近はこの状態に近づいている。
フィリピン中間層ってどんな人?
フィリピンには中間層が増えていると言うが、政府の基準で中間層に該当する国民の月収は4万ペソから12万ペソという広範囲。
これは20世帯中3世帯、つまり全体の15%を占めている。
実情として、月収が4万ペソ以上あるサラリーマンはかなり稀で、私が知っている限りでは日本語N2以上の日系企業のワーカーやアメリカのIT企業、シーマンと呼ばれる船舶関連のワーカーだ。
またフィリピンの日系企業の現地採用の日本人もここではC階級に該当する。
※セブだと手取りで月収5万~8万ペソがスタンダード。
また、階層を示すバロメーターとして持家の有無がある。
中産階級の75%が持家に住んでおり、25%が家賃を払っているという結果だ。
家族の数もランクAに近づくにつれ少なくなる。
フィリピン人が全て兄弟姉妹10名前後いるような大家族とは限らないのだ。
低所得者及び貧困層は収入の過半数が食費となっているが、富裕層に近づくにつれ、所得の占める食費が少なくなる。
A、B層 | C~E | F&G | |
食費 | 21.10% | 34.80% | 53.40% |
家賃 | 16.60% | 13.90% | 10.70% |
交通費 | 12.50% | 9.80% | 5.30% |
水道高熱費 | 5.60% | 7.70% | 7.70% |
税金 | 5.40% | 2.40% | 0.50% |
教育 | 3.70% | 5.90% | 2.10% |
交際費 | 3.00% | 3.60% | 3.90% |
その他 | 32.10% | 21.90% | 16.40% |
合計 | 100.00% | 100.00% | 100.00% |
有名なエンゲル係数とは貧困率の測定として実によく機能していることが分かる。
上の表では貧困層は収入の半分以上が食費に消える。
中流階級の家庭は、子供の教育に多くを費やし、私立学校へ自家用車にて送り迎えをし、中には家庭教師サービスを受けさせている。
ここで圧倒的な差が生まれるのだ。
中間層の不満
しかし、中間層の不満はFやG層は税金を納めていないにも関わらず政府からの援助を盛んに受けているということだ。
中間層よりもF&Gの底辺層の数が圧倒的に多く、次の選挙を有利にするために底辺層へのサービスに余念がないという見方。
とくにコロナで多くの中間層が仕事やビジネスを失い、貧困層だけが政府に援助を受けるという状況。
最近ではそのことが大きな不満として持ち上がっている。
まとめと考察
一般的に日本人が接点を持つフィリピン人はF(低所得層)とG(貧困層)である。
昔はフィリピンパブがお約束だったが、ここ数年では語学学校の先生となった。
大学を卒業し先生という肩書でレスペクトされるべき存在。
しかし、月収を聞いてみると日本円で3万円未満という。
現在のところ、フィリピンの貧困から脱出する最速の方法は外国人と結婚することだ。
そういう意味でも多少給料が安くても外国人と知り合える語学学校の先生は人気だという。
実際多くのフィリピン人講師が生徒と結婚し日本行きのキップを手にしている。
2割のお金持ちを8割の貧乏人が支える構造はこの先も変らないだろう。
その理由は教育レベルの低さ。
フィリピン政府の目標は2022年までに貧困率を13%以下にすることを挙げているがそのために教会と喧嘩してでも避妊用具を配布する作戦を打ち出している。
子供の数が減れば貧困率が下がるという短絡的な考えでは改善は不可能だろう。
教育レベルが上がり、理論的な考えが出来るような国民が増えれば自然と子供の数より質へと移行するのだ。
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