誕生日会は一種の産業
フィリピンでは毎日どこかで誕生日ソングが聞こえてくる。
国民にとって最も重要な行事はズバリ誕生日会と言っても過言ではないだろう。
日本の誕生日ソングを教えてくれと色んなフィリピン人から何度聞かれたことか。
実際、日本独自の誕生日ソングをぱっと思い浮かぶ人はいないのではないだろうか?
ショッピングモールに入っているちょっと広めのエアコンの効いたレストランでは、時間が来たら店のスタッフが張り切ってタンバリンとケーキを持って登場し、ノリノリで歌う。
普段は客が来ても気が付かないし、食事や飲み物も1時間以上出て来ないのが基本だが、そういう事だけは別人のようだ。
日本では誕生日会といえばだいたい10歳位で終わってしまうのだが、フィリピンでは幼児から高齢者になるまで盛大に行われる。
とくに60歳以上の場合ディスカウントが大きく、歳をとっても誕生日会から逃れられないのがフィリピン。
頻発する誕生日会によるGDPへの影響は絶大だ。
ところで、フィリピンでは1歳の誕生日を盛大に行う習わしがある。
医療環境が劣悪なフィリピンでは1歳の誕生日を迎えるられることが普通ではなく、奇跡的な喜びを祝う会ともいえる。
丁度、日本の七五三のルーツと同じだ。
日本の場合、三歳の男女の「髪置き」、五歳男子の「袴着(はかまぎ)」、七歳女子の「帯解き」のお祝いがある。
7まで生きる事が難しかった時代。
子供の頃にそういった七五三の意義を知らなかったのは非常に残念だと今更ながら思う。
いつの時代でも、子どもに「元気に育ってほしい」と願う親心は変わらない。
うちのカワイイちゃんの1歳の誕生日はセブの夜遊びオヤジの定宿となっているキャッスルピークホテルのファンクションルームで行われた。
費用は合計で7万ペソほどだった。
月収が1万ペソ前後という国において1歳の子供の誕生日に7万ペソはクレイジーだと感じるが、知人い聞いてみるとなんと10万ペソ以上使ったという声も聞こえてくる。
特に1歳の誕生日は非常に盛大に行うのが習わしとなっている。
セブのマクドで誕生日
知人の子供が1歳の誕生日を迎え、セブ市内の某マクドでしめやかに行われた。
なぜジョリビーではないのかといえば、予約するのが遅かったので週末ジョリビーが既に空いてなかったというフィリピンあるある。
フィリピンのジョリビーやマクドには必ず誕生日会用のファンクションルームが設定してある。
誕生日命な人たちにとって貸し切りでパーティーは日常的なのだ。
招待状には13時半からのスタートと書いてあるが、そこを14時半と読み替えるのがコツだ。
14時過ぎに親子連れの招待客がぞろぞろと集まってきている。
普段はゼッケンの付いたボロボロのノースリーブを着ているはずだが、誕生日という縁起の良い日に合わせて年に1回か2回しか着ないであろう襟付きのシャツを奮発している様子が分かりやすい。
なかなか客はほぼ集まっているのになかなか始まらない理由は、マクドのMC担当者が音響の準備にもたついているからだった。
事前に確認しておく文化が無いのはやはりここでも健在だ。
MCのお姉さんはほぼ毎週同じことをやっているようですでに右脳が丸暗記している感じだった。
誕生日会に集まった子供達を集合させ、なぞなぞゲームで飴をグッズやお菓子を配る。
歌とダンスはお約束。
そして超甘いパスタとチキンがのセットが配られる。
一般の日本人の大人は食えたもんじゃないが、フィリピンの子供達が喜べばそれでいい。
食事が終わった頃、スタッフがバーディーと声をかけるとおもむろに着ぐるみが登場して来た。
子供のいる場所で焦るのが、フィリピンでバーディーとはスラングで男性のアソコを意味するのだ。
かなり年季の入った使用感のあるクタクタの着ぐるみだ。
元々はヒヨコをイメージした鮮やかな黄色だったのかもしれないが、口元はすでに緑がかっている。
着ぐるみの隣でカワイイちゃんと一緒に記念撮影をしてもらったが、まるで三杯酢のイワシ料理のような酸っぱい臭いがした。
中に入っているスタッフはすっかり麻痺しているのだろうか?
貸し切り費用内訳
- ファンクションルーム(MC&臭いキャラ込み)2000ペソ
- 30人分の食事&キッズ土産 8200ペソ
- 誕生ケーキ2個 1200ペソ
- イベントで使うお菓子類 500ペソ
- 子供のドレス 800ペソ
- 合計12,700ペソ
ジョリビーでは持ち込みは一切禁止で全部ジョリビーを通して用意することになっているらしいが、マクドは最低(2000ペソ程度)という発注量をクリアーすれば子供に配るお菓子等を持ち込んで良いとのことだ。
予算に優しいマクドを取るか、フィリピン王道ジョリビーをとるか?
参考になれば幸いです。
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