ヘルナンコルテス通り。
まるで便通の悪い老人のように慢性的渋滞のメッカだ。
5時の方向。
ミラー越しにシルバーの車体を確認。
右側の路肩を使いバリバリ迫りくるシルバーのホンダフィット。
違法輸入された2003モデル。
左ハンドル仕様にコンバート済。
中古天国フィリピンでは中古車が激高。
日本では15万円もしない旧車がフィリピンへ来た瞬間50万円くらいに化けるのだ。
私は一瞬アミーゴを右へ30センチ寄せてホンダフィット2003年モデルをブロックしようとしたがやめた。
元菩薩としては同じ土俵へ引きずり込まれてはいけない!!
本来車線じゃないところをバガッグ ナウォン(ビサヤ語で面の皮が厚い)な奴らが隙間をついて我先に進んでくる。
特に緊急事態だったり、仕事のデッドラインをまっとうするために焦っているわけではない。
スーパーのレジやレストランでは30分、40分平気でアホみたいに待てるのに車に乗ったとたん豹変。
バイクに乗ると狂暴になるこち亀の本田状態。
これがのんびりしていると言われるフィリピン人の正体なのか?
車という殻におおわれると人間の本質が無防備に露出するのだろう。
すると先方のハイエース スーパーグランディア2015年モデル2,1330,000ペソがホンダフィット2003年モデルをブロックした。
「ふふふ、絶対やると思ったばい」
私はアミーゴの中で思わずつぶやいた。
進路を断たれたホンダフィット2003年モデル。
ここからがフィリピン人VSフィリピン人の闘いが幕を開けるのだ。
私はまるで観劇でもするようにワクワクした。
譲らない人間同士。
終わりのない戦いとなることは必至。
他人の争いはきっと蜜の味。。。
突然現れたホンダフィット2003年モデルにインターセプトされそうになった赤い車。
三菱ミラージュハッチバック2016年モデル620,000ペソ。
意外と達筆な手書きのナンバープレート。
臨戦態勢スイッチON!
ミラージュのドライバーは髪型からして40歳位のフィリピーナ。
フィリピーノは若い女性にはきわめて優しいが、中途半端に年をとったフィリピーナには全く用事がないので急に厳しくなる。。。
大脳新皮質の構造が物凄くシンプルなのかもしれない。
フィット2003年モデルはボクシングでいうとファイタータイプ。
まるで車相撲のようにフェンダーを当てにいく。
一瞬ひるむミラージュ2016年モデル。
反対車線から車がガンガンくるので弾きだされるわけにいかない。
しかも元々自分がいた車線にキュージャンピングしてきたインベーダーに道を譲る度量はないだろう。
まるで西部警察のロケでも見ているような擦れ擦れのバトルを最前席でみせてもらった。
弱肉強食アセアン最強の地フィリピン。
結局ホンダフィット2003年モデルは日本の中古品扱っている店の駐車場に入って行った。。。
そんなもんだ。
今日もまたどこかで無駄にポジション争い。
巻き込まれたくないが、傍観するには最高の環境かもしれない。
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