最近、九州出身の女性と仕事をする機会を得たのだが、きっと本人は標準語を話しているつもりだが、私は細かく九州弁をしっかりキャッチしている。
コーヒーがこゆい
「ちょっとこのコーヒーこゆいですね!」
コーヒーの濃度を表現するときに、先日彼女がこゆいという言い方をした。
実は「こゆい」は標準語ではない。
意外と九州人はそれを方言だと気が付かず一生を過ごしてしまう。
しかし!天下のWeblioがこんな説を唱えている。
濃ゆい
読み方:こゆい「濃い」の同義語。程度が強い、はっきりしている、インパクトがある、強烈である、クセがある、などの意味で用いられる表現。
「濃ゆい」は主に九州および西日本の方面で用いられる言い方であるが、「濃い」(こい)よりも同音異義語の混乱を避けやすいといった利点もあり、最近では全国的に用いられる場面が増えつつある。
異音同義語の混乱?
だから全国展開?
恋、鯉、故意、乞い。。。確かに探せば幾らでも出てきそうだが、混乱するアホはあまりいない気がする。
私は最近の日本の事情に詳しくないので、その辺は専門家に譲ることにしよう。
そうだ、フィリピン人に九州弁を教えよう。そして、大学で日本語ではなくて九州弁という科目を新設して貰えたら楽勝だ。
からう
彼女が標準語だと思いながら使っている九州弁はまだまだ沢山ある。
先日ある大学生がリュックの中身をスリにやられそうになったという話の際にこれが出た。
「この前、Kちゃんがリュックを”からって”たら後ろからスリの手が伸びて来たらしくて」
からう→背負う、またはしょう
九州の小学校で出題される国語の穴埋め問題はこんな感じだ。
ランドセルを〇〇う。
答え「からう」。
なおす
そのうち言いそうなのが、これだろう。
なおす→しまう。
ちなみに私は25歳までなおすが方言とは知らずに生活していた。
日本で会社員をしていた頃、小切手を金庫へしまう時に、K部長に「これ金庫になおしときます」と言った時に、ちょうど東京から出張に来ていた先輩から指摘された。
「何を直すの?」
「何をって小切手とです」
その時に、”なおす”が東京では通じない方言だ初めて知ってしまった。
ちなみに私の祖母は”なおす”を「なわす」と言っていたが、さすがにそれは意味不明な気がする。
はわく
はわく→掃く
掃除するときにガチで使う九州弁。
これも多くの九州人が標準語だと思いながら生活している九州弁の代表選手だ。
しかし、これは一説によると非常に古風な言い方の名残らしい。
源氏物語の中に出てくる帚木「ははきぎ」という章には帚く「ははく」という動詞が出てきている。その流れで「ははく→はわく」となったらしい。
方言はロマン
セブでも南の方に行くと、古いセブアノ語がつかわれている。
昔、サンボアンという宝石箱をひっくり返したような美しい海に遊びに行ったことがある。
その時、ボートに乗せてもらったのだが、船を操作している人からビサヤ語を習った。
浅い=マバオ 深い=ラローム
これをセブ市内で言ってみたところ笑われた。
「はは、あんたそれ誰に習ったの?」
「は?」
ラロームは非常に古典的な伝統的セブアノ語らしい。
今はラローム→ラオムが普通とのこと。
田舎はいにしえの言葉が残るロマンの里。
そう思えば九州という所は古風な言葉が残る言語博物館なのかもしれない。
そんなわけで、九州出身の女性にはロマン薫る九州弁を使い続けて貰おう。
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