私は35歳から突然独りで飯を食べる人生が始まった。
運命だった。
「皆で食べると美味しいよね」
それは本当だろうか?
私はひとり飯をはじめてから気が付いたことがある。
自分との対話。
日本で流行ったドラマ「孤独のグルメ」代表されるように心の中でつぶやく事が多くなるのだ。
独りだと正直になれる。
誰に遠慮することなく「うみゃー」とか「まずい」とか心の中で大いに叫ぶことができるのだ。
まだカワイイちゃんが生まれる前の話だが、中途半端な若さに物言わせ、夜遊びしていた時期がある。
遊ぶことが仕事とさえ思っていた。
深夜をまわり帰宅する途中、酔いが冷め始める。
すると暖かさが欲しくなる。
日本だとシメのラーメンってやつだ。
私の定番はフィリピン料理店「KUSINA UNO クジナ ウノ」24時間営業。
新日本人街と呼べるストリートにある。
KUSINA はスペイン語でキッチン。UNOは一。
つまり一番うまい料理店という意味。
なぜか男のウエイターしかいない博多山笠な店だ。
ここでフンドシ履けば状態。
すっかり顔なじみになったウエイターは私が何をオーダーするのか既に知っている。
いつものチキンマミーね
「チキン マミー ギャポン」
彼は無言で眉をピクリと微かに動かすだけで立ち去る。
1920年にマ モン ルークという中国人がマニラのビノンドで始めた鶏ガラスープの中華麺。マミーの由来は母親ではない。麺は中国でミと発音し、マさんが作るミなのでマミーという名前となったのだ。
こんなウンチク、フィリピン人でも知らない(汗菩薩書房より抜粋
先日久しぶりにここでマミーを食べ、通り過ぎた若き頃の思い出が次々と蘇ってきた。
値段はわずか140ペソなのだが、スープが絶妙。
なかなか冷めないアツアツのスープには秘密がある。
500ペソもするこの店の名物ポチェロから流用されたコクがもうこたえられない。
スープが命。
ラーメンとはそうあるべきだと思う。
その贅沢なスープを深夜にしみじみと独りですするのがモトボサツな孤独のグルメ。
こうやって小さな幸せを拾い集めながらセブという変な場所で生きて行こう。
酒飲んで帰りに体が冷めたら24時間営業のKUSINA UNOのマミーをお試しい頂きたい。
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