フィリピンが好きなの?
フィリピンで生活している日本人からこう言った意見が時々出てくる。
私はセブのジャングル生活を経て11年間フィリピンで生活してきたので、フィリピンをすっかり受け入れている印象でみられがちだが、正直、いまだにフィリピン人を受け入れられないことの方が多い。
そもそも海外生活というかフィリピンに興味があったわけではないし、フィリピン人が大好きで移住を決めたというほどでもない。
たまたまその時の事情で流れ着いたのがココだっただけ。。。
フィリピンへ来る前に家も車も家族も手放し、「酸素と水と朝のジョギングさえあればどこでもいい」という捨て身なライフスタイルが板についていたので、そこがアマゾンであろうが、アフリカのサバンナであろうがおそらく似たように生きた気がする。
美人だけど感じ悪い
朝からGYMトレーニングを終えてティムと仕事の打ち合わせをするためにセブ屈指の高級住宅街マリアルイサ付近にあるコーヒー&ブレッドショップへ立ち寄った。
パッと見でオシャレで高級な雰囲気だ。
貧乏性の私はそんなところに気後れするがティムはそういう場所を好む。
いかにもスケベそうなガイジンの爺さんが外のテラスに集まっていた。
毎日が日曜日のガイジン爺さんたちはチビクロサンボみたいな奥さんを貰いセブでガイジンコニュニティーを形成し朝会を開いているのだ。
店の中へ入るとハエが数匹飛んでいた。
こういうシーンを見ると「あー、やっぱりここってフィリピンやね」と逆に安心してしまう。
パンを陳列しているショーケースの中にもハエが数匹たかっている。。。
値段はひとつ80~100ペソもする高級パン屋でもフィリピンらしくこの様だ。
トレーニング後ということもあり猛烈に腹が減った。
バカ高い朝食メニューから適当に選んだのだが、その中身が中途半端でかなり物足りない。
今朝のチョイスは大ハズレだ。
一緒に頼んだコーヒーがまだ余っているのでできるだけハエのたかっていない付近のパンをオーダーした。
ショーケースのところにいた女性スタッフ。
歳のころはそうさのぉ、23歳位か。
かなり美人だが、笑顔のかけらもないふてぶてしい表情。
これひとつ「カニ ウサ」
一つだけ?「ウサ ラ?」
さっそく不愛想な対応が返ってきた。
私は速攻でブルーな気持ちに陥ったが、最大限に我慢して「YES Ma'am」と無理して答えた。
で、温めるの?「ワーム?」
「はい。。。」
ハエのたかったパンは熱で殺菌したほうが良いだろう。
彼女は分かりやすく面倒臭そうにオーブンの蓋を開けパンを放り込んだ。
しかし、日本なら接客態度に問題ありとなるのだが、フィリピンは客よりスタッフの方が偉い。
なぜなら、資本を持っている側と持たない側という構造が根底にある。
持っている人間が持っていない人間に品物を売ってあげているのだ。
そして、もし文句言ったりやっつけたりすると、こっちが変な人扱いされてしまう。
だから、嫌なら二度と行かなければ良いだけだ。
しかし、こういった話を日本人にすると確かにハッキリと分かれる。
タイプA:「はは、フィリピン人って基本子供ですからね♪」
タイプB:「うわ、いやですね。。。わかりますよ」
私は正直いうとタイプB側の人間だ。
脛の効いたローキックで太ももを攻撃し最後は柔術のごとく首まで絞めたくなる。。。
しかし、内心イラっとしている私を見てティムが言った。
「きっとあのスタッフは彼氏と別れたばかりで機嫌が悪いんだよ」
※ちなみにティムはもし自分がやられるとこっちが引くほど相手を追い込む
甘えの構造フィリピン編
フィリピンの道路をサイクロン号で走るとフィリピンという国の事情がよくわかる。
2車線を跨いでワガママに走ったり、とんでもない角度からインサートしてくる無茶苦茶な運転は単に下手ということもあるが、こんなことしてもいいだろうという相手への甘えで構成されている。
つまりフィリピンってところは自分の都合に他人を巻き込んでも良い国なのだ。
じゃあ日本人も甘えればいいのか?
他人に1mmも甘えることが許されない日本人には同じレベルになるのは無理だろう。
しかし、少なくとも日本人との精神構造の違いを意識することでイライラが解消される事を願ってやまない。
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