宿のロケーションは見れば見るほどツーリストパラダイス的な場所だった。
長崎中華街のすぐ隣に位置し、浜の町アーケードやグラバー庭へも徒歩圏内。
今回の旅のメインミッションともいえるのが長崎市役所での戸籍謄本の取得。
カワイイちゃんに日本国籍を取らせるための第一歩だ。
宿から歩いて5分の籠町電停から公会堂下まで路面電車で移動した。
電車の中は想定以上に老人だらけだった。
皆まるでお地蔵さんのように俯いたままじっと動かない。
動く老人ホームだ。
路面電車を降りて市役所まで少し歩く。
警察署。
平和な日本でお巡りさんは暇なのだろうか。。。いや忙しいから日本は平和なのかもしれない。
ポイ捨て王国フィリピンからすると、すっきりしたゴミのない道路はまさに奇跡。
市役所に到着。
ガードマンもシニアだし、客もシニア。
まるでデイサービス施設。
しかし、無駄にインターネットの速度が速い。
上り下りとも50Mb近くある。
窓口のおばさんはコテコテの長崎弁でかなり訛っている。
こいつは本物だ。
申請後たった10分足らずでカワイイちゃんを日本人にするための書類は手に入った。
セブと比べてはいけないが、役所のハイスピードなシステム感が半端ない。
当たり前かもしれないが、仕事中にお菓子を食べたり職員同士チチクリあってじゃれ合う姿は一切見られない。
この10分の凝縮作業には日本人の勤勉な犠牲によって成り立っているように思う。
日本が凄いのではない。
全ては勤勉な日本人ひとりひとりの自己犠牲の末に成り立っている凄さだ。
フィリピンはホセリサールを最後に自己犠牲はない。
だから、アホで遅くてダメだけど世界的に見て幸せな国なのだ。
究極の選択「幸福or発展」、どちらかしか取れないのか?
無事に書類を受け取り、めがね橋のある中島川沿いに出た。
今では錦鯉が泳ぐ綺麗な川だが、私が子供のころはフィリピンと同等のどぶ川で物凄いヘドロのにおいが充満していた。
いつの間にか観光客が川べりへ下れるように階段が作られていた。
そういえば下からめがね橋を見るのは初めてだ。
長崎の中心地である浜の町アーケードへ入った。
タイムスリップ。
そして完璧な浦島太郎。
ドンキホーテやTSUTAYA、ツタヤなど日本のスタンダードパッケージも当然のごとくアーケードの中へ存在していたが、昔からある茶わん蒸しの吉宗も頑張って残っていたのは驚きだ。
長崎の隠れた名物「角煮」。意外と高級品なのだ。
継続は力なり。
贅沢なメスライオン様が腹を空かしたことを盛んに目線で訴えてきた。
ふと長崎名物トルコライスの店が目に入った。
あれこそまさにフィリピン人が喜ぶ大人のお子様ランチ。
いやいや、そう思いながらも実は自分がうきうき喜んでいる。
メイジヤという店に入り、二階席を陣取った。
道行く人々を眺めながら時の流れをじっくりと感じた。
私が子供のころにこの道で出会った立派な大人たちは今天国への第一世代となって道を歩いている。
今年で50歳の私は次の第二世代だ。
人生の旅の途中で訪れたふるさと長崎。
昔の生活臭さはどこにもなく、街ごと綺麗すぎる博物館のようになっていたが、いつかこの片田舎の街を天国への待合室にするのもいいかなと思った。
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