スーパーのレジの様子を実況中継
フィリピンにおいて日本人の在住者、または留学や観光で滞在している外国人が異口同音に辟易することがある。
それはレジの処理スピードが異様に遅いということ。
日本とは異なる国や文化でその違いを嘆いても始まらないのはわかっている。
この国を変えようなんておこがましいことは考えないにせよ、せめてレジ渋滞のメカニズムを解明してスッキリしたいところだ。
レジ待ちで暇すぎてその状況をつぶやいてみた。
ボサツイッターより
【行列のできるスーパーのレジ】
フィリピンの実態レポート
🙄スタッフ多いのに謎のワンオペ
😒客が財布を取り出すのが超遅い
😑小銭持ってないかいちいち客に聞く
😌客が小銭を財布から探す
😮袋詰めをレジスタッフがやる
一人に平均4分かかるので5人で20分😭 pic.twitter.com/bF4bf4Lo0L
— モト ボサツさん@子供と成長中 (@motobosa02) January 5, 2020
さて、各論的にひとつひとつ解説してみよう。
スタッフ多いのに謎のワンオペ
客の数よりもスタッフの数のほうが確実に多いフィリピンのお店。
レストランとかでもそうだが、なぜ手が空いている人が忙しく稼働しているスタッフを手伝わないのか?
ここは多くの日本人が真っ先に疑問に思ってしまうポイントであるが、自分のことだけに集中してよい文化こそが幸福度を上げる条件という噂も。。。
個人主義の権化のような思想がスタンダードとなっているP国では自分の担当以外の事はお構いなしでOK。
レジを一人で担当している方も特に何のプレッシャーもなくテンパっていないので、「なぜ自分だけがこんなに忙しく辛いんだ」という疑問を持たないようだ。
客の動きも遅い
レジ担当者の動きは恐ろしいほどにマイペースだが、客の動きの鈍さや段取りの悪さも負けていない。
欲しい物を手当たりしだいにカゴの中へぶち込む。
クレカはおろか銀行口座を持っていない客が大半なので現金決済。
財布の中のキャッシュは限られており、合計金額に負ける。
どれを捨てるか一生懸命迷う。。。
カゴに入れる時は脊髄反射的に何も考えず放り込むのだが、捨てる時は持てる全能を使い一生懸命考える。
その様子を後ろから眺めつつイライラを越えて殺意さえ抱く。
そして、いざ支払いの段階になり、ようやくバッグから財布を探すがなかなか出てこない。
レジも遅ければ客も遅いのでダブルパンチなのだ!!
小銭持ってないかいちいち客に聞く
ほぼ100%小銭が不足しているレジの中。
「Naa kay 3peso?(3ペソ持ってる?)」みたいにイチイチ客に尋ねる。
日本はお客さんの便宜をはかり小銭を出させるが、フィリピンは違う。
単に釣り銭用の小銭を用意していないだけなのだ。
客からは釣り銭不足を責められないのがフィリピンのレジ世界。
やはり「売る側が上」だという超資本主義体質を感じてやまない瞬間だ。
袋詰めをレジスタッフがやる
日本のスーパーではすでに会計も袋詰めも客が自分でやるシステムが浸透しているが、フィリピンは昭和の日本のままだ。
いやそれ以下。
私が小学生の頃、つまり40年以上前の日本では、すでに会計が終わった商品は客が自分で袋詰していたが、フィリピンのレジでは会計が終わった途端にスタッフが袋に詰め始める。
客はただその様子をボォォォっと眺めるだけだ。
自分でやるから良いよと言う客を14年間で1度だけ見たが、基本的にレジとはそうあるべきだという固定概念にしばれている。
レジによってはバガーと呼ばれるスタッフ(なぜか男性オンリー)が居ればまだ良いのだが、ワンオペしているレジの場合、会計から袋詰めまで一人のスタッフがやるので上流から下流までの工程がハンパなく長い。
これが最も大きなレジ渋滞要因だ。
サリサリストアの仕入れ
フィリピンのスーパーに行くと大型カートに山盛りに商品を積んだ客を見かけるが、どんだけ大家族なんだと驚いてしまうだろう。
しかし、その大半はサリサリストアの仕入れだったりする。
フィリピンにはサリサリストアと呼ばれる伝統的なコンビニがある。
まるでパチンコの景品交換所か刑務所の面会所のようなスタイルで客の中にはスタッフしか入れず外側から欲しい物を指差して買うのだ。
そこで売る商品は週に1度スーパーで仕入れ、原価に20%を上乗せして販売するやり方が一般的。
私もセブ島のジャングル時代に3年間サリサリストアを営んでみたのでそのへんの事情には無駄に詳しい。
サリサリの仕入れ客がまたレジの処理スピードを遅くしてくれている。
小さいカゴ専用レジと書かれたレーンがあるが、適当なフィリピンでは秩序はグチャグチャ。
あとは即身仏になる覚悟でレジに並ぶしかない。
皆さまからのご意見
フェイスブックやツイッターでレジの件を呟くとやはり同じことを思っている人が沢山がいることが分かる。
Y口さん>クリスマスの時この行列出来てたのにワンオペで並んでみたけど諦めて帰りました笑
AKさん>問題があると隣のレジ打ちと話し始めていつまで経っても問題が解決しないとか、レジを離れたまま戻ってこないとかもありますよね(笑)忍耐力が試されます…
Sさん>このシステム、日本にあるサリサリストアでも変わらない 割とマジで
YMさん>成田空港の段ボール販売&パッキングカウンターと、🇵🇭の大手デパートのSIM交換で同じ目に遭いました🙄
Tさん>4分は速い!💦🤣それは優秀なレジうちと袋詰アシスタントだと思います!
TNさん>隣のレジには3人くらい人が居るのに、雑談に忙しくレジを開けない。追加 お願いいたします。
YEさん>コロンのガイサノサウスが一番みにくい。みんな行ってみてね!
DIさん>バーコードが貼っていない品があり、ゆっくり歩いて、時には踊りながら売り場へ確認に行く。を追加希望です。
追加希望事項
何か分からないことや問題があると隣のレジ係に話しかける。
当然ダブルで機能が停止するという事態が発生する。
それからぞろぞろと野次馬のようなスタッフが一か所に集結してくるという泥沼と化す。
さらに、スーパーレジあるあるなのが、バーコードが読み取れなかったりそもそも貼り付けて無かったりする。
その辺の暇そうな男性スタッフを呼びつけて値段を確認させに行くのだが、また歩くスピードが亀みたいに遅い。
バーコードをどっかから貼り付けて戻ってくる時のスピードなんか日本の歳よりの散歩スピードにも劣るのだ。
まとめ
我々はフィリピンという他国にお邪魔させて貰っているという立場なのを忘れてはいけないとよく言われる。
それくらい分っている。
でもあのチンタラしたレジを「フィリピンだからショガナイディバ」と常に大きな心で受け止めることができるならば貴方はもうボサツブログを卒業だ。
うちのティムなんか並びながら「ドガイカーヨ(遅すぎ)」といつもブツブツ言っているし、客の一部はきっとイライラしているに違いない。
常に売る側、つまり資本家側のほうが上という貧富の差。
この国のシステムや質を変えることは不可能だが、せめてなぜレジが遅いのかというメカニズムを具体的に知ることでスッキリして貰えたら幸いだ。
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