人生はタイミングだ。
ある日いきなり家族との離別し、それまで慣れ親しんだ名古屋から逃れるように流れてついた北九州は私にとって完全に異国だった。
まず言葉。
同じ九州でも長崎と北九州は全く言葉が違う。
「パッチ」は長崎ではおっさんの履くステテコだが、北九州では「ちょっと」という意味だ。
「パッチコンビニイッテクルケェ」
それを初めて聞いたときに、ステテコ履いてコンビニに行ってくるおっさんのイメージが浮かんだものだ。
知らない言葉。
初めてみる異郷の風景。
旅ではなく、ここに住むという覚悟が迫られる。
わたしは冷たく光る響灘を眺めながら人生をさすらい、「ここはどこ?北朝鮮か?」とアウェイ感がフルに掻き立てられた。
日本だけど異国な北九州で異邦人と化したモトボサツは同じ境遇で生きている外国人だけ付き合うようになってしまったのだ。
だから、いまだに日本で一生懸命生きている外国人を見ると親近感が止まらない。
私の場合、最初は人生の流れのまま北九州という異教の地でフィリピンコミュニティーに組み込まれ、そこを居場所にしたかった。
タガログ語を最初に覚えたのはそう言った理由からだった。
そして、セブへ住み始めてビサヤ語を覚えまくり、さらにローカルコミュニティーとの対等感を増していった。
チンさんの戦闘力は日本人のおばちゃん店員より上
日本での思い出の多くは蓋を開けてみると日本で出会った外国人スタッフ。
成田空港ターミナル1のミニストップで働く中国人女性スタッフ。
毎朝コーヒーを買いにセブンイレブンへ出かけ、そこで出会ったベトナム人男性グンさん。
マツモトキヨシ浜の町店のチンさん。
皆日本で接客できる程度の日本語力と母国語を話す。
チンさんは英語も話せるらしいので日本語&中国語&英語で接客ができるのだ。
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チンさんも日本人のおばさんもきっと同じ時給800円。
ひょっとして外国人だから750円とか足元見られる可能性もある。
しかし、チンさんは中国人の爆買いをアシストすることができ、観光で来た欧米人にも英語で対応できる。
私が店のオーナーならば、もう日本人店員は要りませんという発想になってしまうのだろう。
もちろん言葉の問題だけではないが、勤務態度を見ていても中途半端な日本人よりも中国人のほうが愛想もいいし、店員としての戦闘力は高い。
人手不足だから外国人の手も借りたいのではなく、三カ国語対応できる人だから雇いたいのだ。
海外に住む日本人
私の友人で台湾に詳しい日本人がいるのだが、彼がこんなことを言っていた。
「台湾に住んでいる日本人って中国語は話せるんですが、英語だめっていう人多いんですよね」
それはフィリピンもタイも同じだ。
現地語で対等にローカライズされ居場所を見つけたい。
そんな人が海外へ住み着く。
だから英語はやらない。
かつての私が全く同じだった。
2年間のセブジャングル生活でタガログとビサヤの会話能力は飛躍的にアップしたが、英語は全然話せなかった。
そもそも英語なんて不躾な奴らの話す言語を話したいとも思わなかったのだが、フィリピンは中後半端に英語が公用語。
英語を話せないことで困ることが多々あったのも事実。
ふと「相手の流儀で勝つのが本当の勝利」という師匠の座右の銘が浮かんだ。
柔道が相手なら蹴らずに柔道技でねじ伏せろ。
相手が英語で来るなら英語でやっつけろ。
タガログ語、ビサヤ語を習得していく段階で得た俺流みたいな外国語習得方法が出来ていた。
英語も同じモトボサツ流で短期習得。
そして、短期間で英語もすんなり話せるようになれた。
人生はすべてタイミングだ。
私の人生もすべてそうだった。
努力なんて悪あがき。
しかし努力は人生で最も大切な自己満足を生み出すので、ここを忘れてはいけない。
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