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あれは40年以上前じゃったかのぉ、父親と外出した帰り道じゃった。
その日は夕方から数名の来客があるので、父親が接客用にアイスクリームを買って帰ろうと言い出した。
当時はコンビニなんか洒落た店は無く、駄菓子屋みたいな店が主流だった。
そして、なぜか店の入口に必ずアイスクリームの入った冷蔵ケースが置いてあるのが基本スタイルだった。
オヤジは安易に質問してきた。
「おいモトボサツ 何がヨカやろか?」
当時から既に小市民だったモトボサツ少年はこう答えた。
「ブラックモンブランでヨカさ!」
「いっちょ50円やけん安かばい はは(笑」
適格な私のアドバイスをよそにオヤジはなんと隣のレディーボーデン専用ボックスのケースを開けてしまったΣ(゚д゚;)
お、オヤジ・・・そ、それは非常に高かとばい
彼はレディーボーデンを無雑作に掴んでしまった!
高いというと負けずに買ってしまう性格をしているので少し泳がせることにした。
しかし!
いきなり店の奥から店員のお姉さんが出て来てこう言った。
「それ高かですよ!!」
おおおおいッ彡、オネーちゃん! それ言ったら逆に買ってしまうやろ!?
するとやっぱり・・・
「それ位のオカニ持っとるさ!」
値段も聞かずそう言い放って500円もするレディーボーデンを買ってしまったのだった。
あのお姉さんただのネズミじゃねーな・・・
*
先日セブのアヤラにあるナショナルブックストアで同じ事件が起こった。
ちょうど授業で使うホワイトボードマーカーを買う必要があったので立ち寄ったついでに雑誌コーナーが目に入った。
何となく気になったworld in 2016というタイトルの雑誌。
ちょっとカッコ付けて世界経済チックな雑誌でも買いたくなってしまい勢いで赤いカゴの中へ入れてしまった。
レジでの清算の時、スタッフがこう言った。
これ高かですよ!
「Mahal kaayo ni」
あんたダイジュブ?
「 Ok ra nimo ?」
それ幾ら?
「Pila na?」
980ペソダケ
「980peso only!」
ウへッ、止めとくばい
「Hoy ayaw 」
もしオヤジなら買っていたかもしれないが、私は全く違う性格なのだ。
しかし、高いと言えば逆に買ってしまう人間の心理。
TPOに分けて使うもの良いだろう。
40年前の長崎のお店のお姉さんとナショナルブックストアのスタッフのマインドはきっと同じ。
”自分だったらこんな高い物買わない”という大きなお世話とアホ優しさがノスタルジックに融合する古き良き時代のマインド。
正に今のセブは40年前の日本なのだろう。
しかし今、時代の流れはターボのごとく加速し、40年のギャップがきっと5年で埋まってしまう気がする。。。
古き良きセブを楽しむなら今がラストチャンスかもしれない。