モンキー高校と侮蔑される教育困難校の実態
というタイトルの記事を読んだ。
「教育困難校」教育活動が成立しない底辺高校に関する記事だ。
冒頭の一文。
”大学受験は社会の関心を集めるものの高校受験は人生にとっての意味の大きさに反して、あまり注目されていない。”
確かに日本の大学は研究や学習よりラベリング文化に即した箔をつけるための場所という側面が強い。
日本人としての基本的な部分は高校までにほぼ形成されてしまうだろう。
ちなみにフィリピンはどの小学校へ行くかが非常に大切だと痛感する。
私は西の果て長崎市の小学校から高校卒業するまでALL公立だったが、私立に対する公立としてのハンデを全く感じることはなかった。
もし日本で普通に子供を公立の小学校へ通わせる場合、戸惑いや不安は全くないだろう。
一方フィリピン。
公立と名の付くところは一律フィリピンクオリティー。
私立のインターナショナルへ入るかどうかは単に箔の問題だけでなくその内容に雲泥の差がある。
身分社会形成の第一歩。
富裕層の一員としての自覚。
子供なりの社交界の形成。
素晴らしい英語力。
理性の構築。
特に最近の高級小学校を出た18歳未満の英語力は凄い。
アメリカのドラマでも見てるような超絶なスピードと発音。
一般的なフィリピンの大卒英語とは確実に一線を画すレベルだ。
昨年セブの一級路線を進んできた高校生に日本語を教えたことがある。
アイスブレイク代わりにビサヤ語で雑談しようとしたら。。。
「私、ビサヤ語わかりません」
私たちはビサヤ語に関係ない人種なのですとでも言いたいのだと直感。
実際あとで分かった事だが、ビサヤ語はちゃんと話せた。
「凄いね英語!」
「うーん、小学校の時は皆周りがこんなだったから」
全てが当たり前すぎて自慢の欠片もない。
「小学校で今の基本が形成されたの?」
「うん、そうだと思う」
日本もお受験で私立の有名小学校へ入れる動きが凄かったが、一回入れば単に大学までエスカレートで安泰という保守的な理由だった気がする。
フィリピンの場合はこの高級私立小学校へ行くか公立へ行くかはその瞬間人生が決まってしまうレベルだ。
ところで、教育困難校と呼ばれる日本の高校の実態。
■授業開始のチャイムが鳴っても…
「こら~! 教室に入れ!」
「教育困難校」の授業は、教師のこの声から始まる。
フィリピンの場合、先生はもっと遅刻するのでこれはありえない。
社会全体として遅刻は文化だという認識がある。
それじゃ社会問題になるどころか、それを問題に感じる私にこそ問題があると言われるのが関の山だ。
”このカオスの世界を、何とか授業ができるまで持って行くために、教師は非常にエネルギーを使う。”
日本ではこの社会通念上の常識から逸脱した光景に是正のメスを入れようと教育者は躍起になるだろう。
私もセブのパブリックの大学でほぼ同じように格闘していた。
詳細はこちら▶モトボサツ勝手にブログセブ島編をご覧ください
いい修行経験をさせてもらった。
■生徒が集中できる時間はあまりに短く
これも同じ。
まるでウルトラマンレベルのカラータイマー。
10分~15分ごとにトピックを変えないと持たない。。。
だから歌や踊りを入れたりまるで幼稚園の先生だ。
授業の最中でも突然立ち歩く生徒はいるし、授業終了10分前頃になると、多くの生徒は明らかにそわそわしだし、ノートや筆記用具を片付け始める。教員の説明のわずかな間をキャッチして、「せんせー、もう終わりにしようよ~」とむずかりだす。
これも全く同じ。。。
途中出て行って戻ってこないのも居る。
しかし、本人達に悪いことをしているという意識は感じられなかった。
だから怒るとハトが豆鉄砲でも食らったほうにびっくらこく。
まるでこっちが変な人みたいな雰囲気になってしまうだけ。
忘れてならないことは、彼らは家庭環境や、学校の教育環境、さらには周囲に気付かれなかった病気や障害などの理由で「教育困難校」に入るしかなかったという点だ。
実に日本らしい展開だ。
本音か建て前かはさて置き、モンキー高校の生徒に対してサルと言わない。
彼らを立派な被害者扱いする事で社会教育学としての仕事を成り立たせている。
10年ひと昔というが今や3年ひと昔。
私の知っていた日本はもう3世代前の出来事だ。
だから今の日本の事は全く分からなくなってしまったが、日本から来る人たちが盛んに言う事。
日本の若者はフィリピン人そっくり。
モンキー高校の生徒だけでなく、日本全体がフィリピン化してきているのだろうか?
あまりにも記事の内容が私の知っているフィリピンのパブリックの学校の内容と酷似していたので冗談とも思えない。
アジアの底辺から成長しつつあるフィリピン。
一方頂点から急速に落下中の日本。
今がちょうどラインがクロスし始める時期なのかもしれない。
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