先日ブログで初登場したクリスタル。
若いくせに前歯が60%欠損しているので笑うと一気に注目度が高まる。
最初は怯えていたカワイイちゃんも最近ではクリスタルになつくようになってきた。
ぐんぐん成長するカワイイちゃん。
3歳未満とは思えないほどのパワフルさでキッズハウスでは敵なし。
時々勢い余ってジェンやクリスタルに対し激しく接するときがある。
いわゆるアグレッシブ期なのだ。
私は寝ている間に無情にも顔を蹴られたり、目に指を入れられたりするのでガードしながら寝なければならない。
先日カワイイちゃんの速い前蹴りがクリスタルの腹部にヒットしてしまった。
速さと正確さを兼ねた完璧なフォームだった。
と感心している場合ではない。
それがきっかけで腹部から流血!?
実は1歳の子供がいて、帝王切開だったらしいが、流石のフィリピンクオリティー。
術後の処置も超適当で、1年経っても傷が治っていなかったのだ。
ことあるごとに傷から流血。
本人がいつも使っている薬を買って応急処置をしたのだが、ティムは今週末で彼女をバコロドへ帰すことにした。
「私にはここしかない」
そう言ってクリスタルは泣いた。
不健康な使用人はリスク以外の何ものでもない。
周りの家を見ていると、田舎から連れてきたハウスキーパーの健康メンテに無駄な費用がかかっている。
平気で盗みを働いたりするし人件費は安いが微妙な存在なのだ。
そしてようやく持病が治ってこれから一生懸命働くという時にゲートのセキュリティーガードに口説かれ教会の裏でイヨット。
※大人の某アクティビティはビサヤ語でイヨット(ビサヤ語)すること カヤットまたはジャージャーという言い方もある
終いには大きなお腹をかかえて自分の田舎へ戻って行くのだ。
私はティムの決断に従うことにした。
しかし”ここしかない”と言った彼女の言葉。
リフレインが呼んでいる。
消えそうな記憶のシナプスをたどって捨てた日本の記憶がよみがえってきた。
昔、老人ホームの経営にかかわっていた頃、部下のカッパちゃんにこんな話をしたことを思い出した。
「あのさ、俺の理想はね”ここしかないっちゃ”と腹くくって働いてくれる人を介護主任にしたいんよ」
北九州弁が板につき始めた頃、時々カッパちゃん相手にそんな理想を吐いていた。
某九州の専門学校を出て自動的に介護福祉士の国家資格を持って就職してくる20代のお嬢さんたち。
規定の技能実習は終えているのである程度知識はあるのだろうが、長い長い人生の最後の最終駅でのお供には人生経験が足りなすぎる。
求められる優しさとはつまり自己犠牲。
究極の条件かもしれないが、愛情を家に持って帰るべき一般の人には所詮無理な職務なのだと悟った。
”自分にはここしかないんです”
そういう人と仕事をしたかった。
ずっとこだわり続けたこの条件。
探していた思い出に追いつきたいだけなのかもしれない。
クリスタルを雇い続けるリスク。
分かっている。
日本以上に必パタイ(人間の最後に訪れる儀式)さを見つけることが難しい薄っぺらいこのフィリピンで必パタイ(人間の最後に訪れる儀式)のセリフを聞いたのは初めてだ。
そして、クリスタルを雇い続ける提案をした。
自分でクビを宣告したくせになぜか嬉しそうなティム。
何も期待しない。
自分の妙なこだわりと引き換えのリスク。
その日の夜クリスタルが私の部屋へやってきた。
「Salamat Kuya」
彼女は俯き加減に一言だけ発して立ち去った。
フィリピンで雇うときはぜひ健康診断をおすすめしたい。
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