5J603便で到着した日本からのお客さんをアミーガへ乗せ、セブ市内の某ホテルへ送り届けた。
「フィリピン初めてですか?」
駐車場でパーキング代20ペソを支払い、出発ゲートを通り過ぎたあたりでいつも聞くことにしている。
「は、はい、初めてです」
「フィリピンへ行くこと自体不安じゃなかったですか?」
テロが活性化している今はここ10年で最も危険な状態かもしれない。
「まあ、パタイ(人間の最後に訪れる儀式)ぬときはそれが運命ですから」
そんな考えの人にどんどんフィリピンへ来てほしい。
やたらと聞く「セブは安全ですよね」という鵜呑みで無責任な言葉は聞き飽きた。
蟻やオクオクがちょっと部屋へ出ただけで大騒ぎする潔癖な日本人が多すぎる。
無菌状態に慣れ過ぎ、みな足腰弱ってる♪
潔癖日本人のコンプレインを聞くたびにBZの歌詞が蘇る。
その達人風の客人を載せ、ニューブリッジへを超え、マンダウエ市に入った。
「何もかも雑な街ですね」
彼にとってそれはコンプレインではなく歓喜の言葉に聞こえた。
この混沌とした雰囲気を心の底から楽しんでいるようだ。
雑な街セブ。
全てを包括しすぎる表現。
今まであっただろうか?
きめ細か過ぎる日本とは対照的なこの雑さに心地よさを感じるタイプの人はフィリピン向きだだろう。
私は雑という言葉の意味についてしばし考えた。
雑という言葉は日本ではネガティブな意味だ。
雑な生活、雑な仕上がり、雑な人格、雑な女。。。つまり社会悪の象徴だ。
しかし、この雑な環境ではうつ病など心の病に苦しむ者は無く、貧しくとも幸福度の高い人生の要素であることは間違いない。
雑パワー?
雑ってなんだ?
まるでハエのようにブンブン飛び回りモーターサイクルを蹴散らしながら、雑について答えを出したい。
信号機のない街では強引な者が優先であるという交通ルール。
そんな話をした時に確信を得た。
つまり、雑とは自由という事だ。
雑が自由なら雑を許さない日本は不自由の国。
そうか、フィリピンは自由で日本は不自由。
危険で自由な国フィリピン。
また一つフィリピンに対するDefinitionが出来た気がする。
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