私は去年の9月12日にデング熱で入院した。
つまり今月はデング一周忌なのだ。
まだ克明に覚えている。
39度台の発熱とドカン系頭痛、そして逃れようのない謎の呼吸困難地獄は今思い出しても怖い。
異国での病気は本当に不安だ。
言葉の壁というより常識の壁が怖かった。
心の底から信頼してフィリピン人に命を預けられるか?
この国を無駄に知ってるからこそ不安は一気に広がった。
「どこで刺されたんですか?」
デングは蚊を媒体として感染するのだが、いたるところに蚊が居る中でどこで刺されたのか分かるはずもない。
しかし、今振り返ると怪しいのは映画館。
セブの映画館は意外と蚊が多い。
暗闇なのでもう刺され放題だ。
デング熱に感染た人間の血を吸った蚊に刺されるとやられるわけだが、人間の多いところの蚊の方がデングを運びやすい。
血小板の数値が急速に下がり、輸血の必要があるからドナーを探せとドクターから言われる始末。
入院してパタイ(人間の最後に訪れる儀式)にそうになっている人間にまるで思いつきのような無謀なオーダーをするフィリピンドクターの無能さには閉口した。
大抵のフィリピン人は自分の血液型を知らない。
だからABだと言っても実はO型だったりする恐ろしいオチを想像してしまう。
ていうか、肝炎やエイズ大国フィリピンで安易に輸血するリスクはかなり高い。
やはり血液は同じ日本人から貰いたいと思った。
フェイスブックで何名かABの方から連絡を貰い、非常に心強かった。
病気で入院している時間の大半は苦しいのだが、たまに楽になる瞬間もある。
その貴重な時間に小難しい本を読んだり、いろいろと人生観が微妙に変わったりもした。
今となっては懐かしい入院生活。
毎年9月は私にとってデングアニーバーサリー。
AB型の血液が必要な人が居ればぜひお助けしたい。
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