あれからもう2年経ったのか。。。
前回SMシティにあるLTOで運転免許の更新をしようとして何時間も待たされたあげく時間切れで足切りという残酷な記憶が蘇る。
運転免許の意味がほぼ無い国でここまで辛い思いをしながら免許を更新しなければならない切なさが止まらない。
実は期限が切れて1か月ほど気が付かずにバイクを乗り回していたのだ。
ふと気が付き慌てた。
行きたくないが仕方がない。
消去法でSMシティの中のLTOは削除。
どうせ行くならテーマパーク風フードコートのあるJセンターのLTOにしよう。
無事に終わった暁には99ペソラーメンで打ち上げが出来る。
JセンターのLTOは朝8時からオープンするらしいが、少しだけ早めに行ってみた。
ショッピングモール自体は10時から開店するのだが、右側にある階段を上って入ることができる。
LTO以外に役所の出先機関があるのだが、既に行列が出来ていた。
気持ちよくなるケミカル類検査 尿が足りない
LTOはフードコートと同じフロアにあり、2階に気持ちよくなるケミカル類検査場がある。
ここで気持ちよくなるケミカル類の尿検査と視力検査が行われるのだが、午前7時半には既に手続きが行われていた。
私は12番の番号札を渡された。
きっと12人目のアプリカントというわけだ。
とっくに期限の切れた免許と一緒にアプリケーションフォームを受付に出した。
次のステップは尿検査だ。
左側へ進むと尿検査用のボトルを渡され、二つあるトイレの左側でやるように指示された。
フルタンクと言われたが、全然尿意を感じない。
ズルしないように男性は開けっ放しで行わなければならない。
女性の場合は右側のトイレに入るのだが、ここはドアを閉めて行う。
世の中何かと女性が優遇されていると思う瞬間だ。
検尿の容器はヤクルトを少し大きくしたサイズのボトルなのだが、結局20%位しか溜まらなかった。
検査スタッフはほうじ茶並みに濃い尿を指さし「ホイ、フルタンク!」と無碍に却下した。
根性出しても出る気配はない。。。
こんなことなら朝から尿を膀胱に備蓄してくればよかった。。。
ふとナイスアイデアがひらめいた。
「ふふふ、水で薄めよう!」
やたら濃い色した尿だし少しくらい薄める位が丁度良いだろう。
おもむろに尿検査ボトルを持って外のトイレに行こうとしたら阻止された。
「ソス」(くそっ)
私は家から持ってきたホットコーヒー入りのメタルのタンブラーを検査スタッフへ見せ、こう言った。
「俺さ、今コーヒーがぶ飲みしてるから3分後にたっぷり出るよ」
私は自信たっぷりの顔をして謎の予告をした。
まあ普通に考えたらコーヒー飲んだ位で3分後に出るわけないのだが、ここはフィリピン。
検査スタッフは眉を一瞬上げて私にエールを送ってくれた。
私はコーヒーのタンブラーを片手に外のトイレに行った。
そして家から持ってきたホットコーヒーを全て洗面所に流した。
ちょっと勿体ない気がしたが、コーヒーを尿には代えられない。
尿検査のボトルの空白部を思い出し、増量させるべき量を頭の中に描き、タンブラーに一度入れた水を口に含んだ。
さっきまで入っていたコーヒーの味が少し混ざっている。
思ったより緊張する作業だ。
コーヒー飲んで直ぐ出るオシッコなので多少コーヒー風味な方がリアリティがあるだろう。
私は水を口に含んだまま検査場へ戻ったのだが、顔がこわばっている自分を感じた。
そこでフィリピン人のように鼻をほじりながら検査スタッフ眉だけで「俺今イケる」サインを送ってみた。
タイミングよくトイレから誰か出てきたばかりだったので入れ違いに自分の尿ボトルを棚からゲットしトイレの中へ入った。
チャックを下しながら絶妙のタイミングで容器の蓋を開け口に近づけた。
さっき入れた自分の濃い尿の匂いが鼻をつき、一瞬ムセそうになった。
口に含んだコーヒー入りの水を一気に流し込み尿ボトルは想定通りピッタリとフルタンクになった。
柔道のヤワラちゃんのように自分で自分を褒めたくなった。
検査スタッフは私のフルタンク尿を普通に受取り、蓋の上にサインを書くように言った。
それから視力検査。
黄色いポロシャツのオッサンの髪の毛が薄いのが気になる。
私が使っているMinoxidilの存在を教えてあげたくなった。
そして、尿検査の危機を乗り越え、8時過ぎに気持ちよくなるケミカル類検査終了を通過することが出来た。
つづく。。。
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