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【光と影】実はフィリピンクオリティーというものはカスタマーが作っているのだ

投稿日:2019年3月25日 更新日:

omotenashi

海外からの観光客~日本人って皆親切!!WHY?

日本人って全員親切!!

初めて日本へ旅行へ行った外国人観光客が口をそろえて言うことがこれだ。

コンビニから一流ホテルまで全国的にサービスが行き届いていると驚く。

一方私の住むセブでは例え5スターホテルと呼ばれるホテルでもたまに接客レベルが怪しかったりする。

そうなるとフィリピンの5スターホテルのスタッフよりも日本人のコンビニスタッフの上質なサービスを提供すると言われるのだろう。

しかし、これはあくまで日本人がサービスを提供する場合の話で、逆に客の立場になったとたん話が変わる。

「コンビニで働いていると、日本人が嫌いになってしまう。なぜ日常の生活ではみんな優しいのに、客になると冷たくなってしまうのか?」

この記事のこのくだりが非常に印象的だった。

確かに、日本人は普段優しいのに客の立場になったとたん豹変するというのは外国人からすると理解できないだろう。

客のニーズと接客クオリティ

フィリピンではどの店のスタッフも男女がチチクリあって遊んでいるか、スマホをニヤニヤしながらいじっているのが定番。

中には接客は2の次にテーブルに突っ伏して居眠りしているのもいる。

もし客が来て気が付かずに呼ばれるまで放置したり、露骨に面倒臭そうな顔と態度を示すことが多い。

また、店側からスタッフへの要求や負荷も元から低い。

スーパー店のレジスタッフはどっかりとスツールのようなチェアにどっかりと腰を下ろして、マイペースなカメのように淡々としている。

慢性的なレジ渋滞はセブの風物詩。

しかし!

フィリピン人客はよほど特殊な人以外苦情を言わず黙って列に並んでいる。

つまり客が店へ求めるニーズが低いのだ。

サービスを提供する店側と客のニーズのバランスが取れたところにサービスの質が確定する。

つまり日本とフィリピンのサービスの質の差は顧客のニーズの差だといえよう。

フィリピン人として生まれた悲哀

フィリピンといえばコールセンター。

2011年以降インドを抜いて世界一の産業となっている。

大学の元教え子達の中でもコネのない者は卒業後しばらくしてコールセンターで働いている。

いっそ大学も時代に沿ったコールセンター科というものを新設したほうが良いのではないだろうか?

先日、いつものジョリビーで元生徒に出くわした。

インセンティブ含め手取りで2万ペソ前後らしい。

しかし、生活は不規則でストレスも半端ないようだ。

20代の同僚が過労で死んでいるという。

コールセンターの顧客は基本的に欧米を中心とした先進国からだ。

問い合わせ電話を5分も待たせたら大変なことになる。

「どんだけ待たせるんだこのサルめ!」

今まで1時間待たされても誰も文句言う客などいない世界で育ったのに、このドラスティックなまでのギャップが地獄のように辛い。

そもそもなぜ5分程度の待ち時間で客が起こっているのか意味が分からない。

モンスターが更なるモンスターを量産する

日本といえば「お客様は神様です」という国だ。

お客という立場は水戸黄門の印籠みたなものだ。

客であることのアドバンテージはどんどんエスカレートし、モンスター化している。

まるでホラー映画のようにモンスターがモンスターを増やしているように思える。

モンスターにやられたスタッフは、次回自分が客側の立場になった時にもっと強大なモンスターとなるのだ。

「フィリピン人客は楽。文句言わないから(笑」

フィリピンで接客商売している人から良く聞くセリフだ。

サービスの質は客のニーズが作っている。

つまり、フィリピンのサービスクオリティの低さは顧客のモンスター度が低いという恩恵にもつながっているということだ。

そう考えると、店側の接客態度が悪くとも、逆にクレーマー客が少ないということに繋がるのでそれもフェアなのかもしれない。

追伸

もし仮にスタッフがALL日本人でカスタマーがALLフィリピン人というサービス業の店があれば、瞬く間にサービスの質はフィリピンと同じ道をたどるのは明白だろう。

カスタマーの要求レベルが店のサービスの質を決めるという裏付けになるはずだ。

 

 

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モトボサツ

2年のセブ島ジャングル生活を経てビサヤ語を習得。その後タガログ語も同時に習得し、最後は英語という逆ばりメソッド。現在生命保険、医療保険コンサルおよびビジネス通訳を兼ねる。元セブの大学にて3年間ストリート系日本語教師の経験あり。

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