消えた黄色いユニフォーム
時間という目に見えないものに一切の価値を求めないフィリピンではデリバリーサービスなんて夢のまた夢だったが、そこに風穴を開けたのがフードパンダだった。
そして、さらに進化したのがHonest bee(オーネストビー)というスーパーでの食材購入代行サービスだった。
フードパンダに比べHonest beeの良いところは、フードパンダと違い、店をそれなりに選んだところだった。
デリバリーを頼む奴なんて、基本的に面倒臭がりのやる事だ。
だから、適当に選んでもハズレがないというコンセプトは当たった。
私もスマホにインストールしたHonest beeアプリで数えきれないほど食べ物をデリバリーした。
予定時間よりも早く到着することもあり、デリバリー代も100ペソ以内。
実際出かける手間を考えるとオリジナルの値段から多少高くなっていても納得する。
しかし、昨年のある頃から急に配達が時間が遅くなった。
ある日、スマホ画面で確認すると配達バイクが30分ほどずっとある地点から動かず、絶対交通事故を起こしたと確信していたのだが、予定時間から大幅に遅れて到着したので一体何があったのか尋ねてみた。
すると配達担当者はこういった。
「同じ方面のオーダーを2軒分運んでいるんだけど、最初の家の人が全然出て来なくて遅くなった」
当然、フィリピンらしく謝罪もなければ、日本のピザ配達のように半額にするということもない。
そういう事が重なり、残念ながらうちではHonest beeを使う回数が激減した。
そして2019年4月に入りあの目立つ黄色いユニフォームと配達箱が街から忽然と消えた。
アプリを起動しても、サービス圏外という寂しい表示が出てくるだけだ。
ニュース記事
MANILA, Philippines — Singapore-based grocery and food delivery platform Honestbee is reportedly facing financial problems, prompting the company to temporarily stop its operations in the Philippines.
シンガポールベースの食材およびフードデリバリーのオーネストビーは財務状況問題により、フィリピンでの稼働を一時ストップする。
アジアの各拠点で辞職や解雇が相次いでいる。
シンガポールでは大手スーパー NTUC FairPriceとのパートナーシップを一時的に停止した。
ホーリーウィーク中に経営幹部が辞任し、香港、タイ、インドネシアを中心に解雇が実践された。
フィリピンはドル箱だったが、一時的としてオペレーションを停止中。
情報筋によれば、シンガポール本社はフィリピンのオペレーションチームへ要請し、「ビジネス全体を健全で継続可能は状態まで」引き上げるという。
同国以外でも、LinkedIn のプロフィールによると、共同設立者の Isaac Tay 氏、マレーシアのカントリーマネージングディレクターの Pulkit Manchanda 氏、そしてシンガポールのマネージングディレクターの Chris Urban 氏などが、ここ数か月の間に退職や辞任をしている。
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Grabフードが一気に攻込み中
後発のGrabフードがこのチャンスに一気に市場に攻め込んでいる。
セブ島のマクドやバーガーキングには常にグリーンのGrabユニフォームを着たデリバリースタッフが注文された品を発注しに来ている。
お陰でただでさえ遅いセブのファーストフードの処理スピードはさらに遅くなりホントいい迷惑だ。
フードでもGrabの勝ち?
以前、フィリピンにはUberとGrabがしのぎを削り、最終的にGrabがUberを買収した。
Grabは日本のホンダやトヨタから出資を受けており、株主にはソフトバンクもある。
交通インフラ最悪のセブ島でGrabがその地位を独占し、さらにフード宅配サービス市場もGrabが独占しようとしている。
セブ島の急所ともいえるインターネットサービスの低レベルさは、まさにPLDTとGlobe二社によって独占されていることが根本的な理由であり、まさに独占体質フィリピンの発展を妨げる要因である。
ぜひHonest beeにはこれを機にデリバリー時間の短縮を達成しフィリピン市場にぜひ戻ってきてほしいと切に願う。
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