カルチャーショック

【客より飯優先】ランチブレイクの放置プレイをどう理解する?#フィリピンあるある

投稿日:2019年6月23日 更新日:

土曜日の午前中、カワイイちゃんを連れてサイクロン号のオイル交換へ出かけた。

場所は悪名高きセブのITパークの某ホンダショップ。

店は8時半からオープンするのだが、我々は10時半少し前に到着した。

作業場の外には相当数のバイクが置いてあり、オイル交換や修理の客がてんこ盛りだ。

作業が済んだバイクが向こう側にズラっと並んでいる

ちょい悪ボサツ
相当儲かっとるとやろね!

フィリピンあるあるだが、オイル交換の受付と支払いカウンターが離れている。

オイル交換と告げると支払い用の伝票が印刷され渡される。

その紙切れをもって支払いカウンターまで歩く。

そこで支払い済のレシートを貰い、受付カウンターへ持って行くとオイルパックをポンと渡される。

それを自分で作業場まで持って行き、バイクのKEYを渡して作業終了を待つ。

作業終了は呼び出しとかないので、常に作業場を確認しておかなければならない。

相変わらず、フィリピンという国は店の都合に合わせた無駄な作業が多すぎる。

それに比べると日本のオートバックスのシステムは神だ。

昼までには終わると鷹をくくってしまったのが運の尽き。

12時になったらピタリと作業が止まり手を洗い始めた。

ガードマンがドアのカードをクローズに変更。

月-金 営業時間 8:30 - 12:00   13:30 - 18:00

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始まりはオンタイムじゃないのに、終わりはオンタイムという自分に対して非常にスィートな国だ。

昼休みは12時から13時半まで。

なんと1時間半もある。

ちょい悪ボサツ
おいおい、ここはスペインかよ!?

この瞬間、店内で作業を待っていた客達は何と全員外へ追い出されてしまうのだ。

1時間半もエルニーニョ絶頂の灼熱の中でどうすればいいのか?

私はカワイイちゃんを家に連れて戻り、もう一度13時半頃戻ることにした。

12時、ピタリと稼働が止まった 休み時間という権利主張は絶対的

一般的な日本人の感覚ならば、この瞬間イライラがMAXになるに違いない。

お客様を待たせたまま昼飯食うなんてけしからん!!

99%の日本人はこうなってしまうだろう。

しかし!

ここフィリピンではシフト制により作業の流れを切らさないという日本のオートバックスのようなやり方は存在しない。

12時なったらピタリと「ランチブレイク」最優先。

役所も以前「Non Lunch Break」というニューポリシーが貼り出されたが私が知る限り1秒も実行されなかった。

モトボサツ的表現をすれば資本家である店側がプアな客側に媚びる必要はない。

そして最も重要なことは、客側から一切ブーイングが一切起きていないということだ。

私一人がショックを受けてる事にふと気が付いた。

つまり、フィリピンではランチブレイクに客を放置して飯を食うのは当たり前で、逆に自分たちも同じ客に対し同じことをするのだろう。

朝から友達と会ったら、「Magandang umaga po(おはよう」ではなく「kumain kana?(飯食ったか?)」が庶民の一般的挨拶。

つまりフィリピン人にとって空腹は最大の敵なのだ。

モト先輩
今日忙しくて、朝から何にも食べてねぇんだよ

という忙しさを自慢するようなフィリピン人は見た事がない。

しかし、かく言う私もフィリピンに長く住んでいるくせに、このフィリピンらしさになかなか慣れず、これまで随分とブチ切れて苦情を言ったこともあるのだが、今ではある程度フィリピンという国の常識を理解し諦めることに成功している。

それはけして寛容になったというわけではない。

逆に「フィリピン人=ダメ」というレッテルを貼りつけることで自分の中で諦めという名の折り合いをつけているのだと思う。

つまり、距離感を持たせることでしか客観性は生まれず、フィリピンには一切期待しないという冷たい基準なのかもしれない。

フィリピンへ来た頃の私は対等に付き合ってみたいという思いが強くビサヤ語も覚え生活様式も同じようにしていたが、フィリピンという国と人々に対し諦めた瞬間にもう対等とは思っていないだろう。

そこが少し悲しい。。。

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モトボサツ

2年のセブ島ジャングル生活を経てビサヤ語を習得。その後タガログ語も同時に習得し、最後は英語という逆ばりメソッド。現在生命保険、医療保険コンサルおよびビジネス通訳を兼ねる。元セブの大学にて3年間ストリート系日本語教師の経験あり。

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