今年の5月数年ぶりに故郷長崎へ戻り、母の四十九日と墓への納骨に参加することができた。
完全に海外からの観光客目線になっていることもあり、すべてが新鮮で刺激的に感じた。
そして、モトボサツゆかりの地を訪れるたびに、生まれてから18歳迄過ごした思い出が走馬燈のように蘇った。
親との関係性は微妙な家族愛であったが、年をとったら親孝行したくなる。
しかし、その時にすでに親は亡しという言葉は当たったな。
長崎の港を散歩しながら万感の思いがこみ上げてきた。
その思い出の一部と亡き母へのレクイエムとして奮発して坂本屋の角煮をセブへ持ち帰ったのだった。
うん、故郷を思い出しながらセブで食べよう。
長崎といえばチャンポンと皿うどんのイメージが強いが、実は卓袱および角煮もそれに並ぶほどの名物である。
とくに坂本屋は卓袱料理の老舗で、そのセットに入ってくる角煮はセブだとシャングリラのような絶対王者だ。
まず家庭用として気軽に食べる代物ではない。
坂本屋は明治27年(1894年)、それまでの長崎市矢上地区で呉服商・両替商・旅館等を営んでいた初代の坂本寅一が、明治初期に現万才町に移り、明治27年現在地の金屋町に旅館を建てたのが始まりです。
料亭 坂本屋
二代目サダは、特に料理に力を入れ、長崎の宿では初めて卓袱(しっぽく)料理に取り組みました。この卓袱料理は旅のお客様にはもちろんのこと、地元で評判となりました。
特に卓袱料理の中のメインディッシュにあたる豚の角煮は、これだけを求めに、地元のお客様が鍋を抱えて来られたそうです。引用元
真空パックになっているので8月末までダイジュブ!
美味しいものは後にとっておくのが幸せのコツなのだ。
ギリギリまで熟成させて角煮うどんにして食らうイメージも完璧に出来上がっていた。
そして、ついにXデーが来た。
私は食品を入れているキャビネットを元気良く開け、角煮を取ろうとしたのだがどこにも見当たらない。
あれぇぇ?
数日前までは確かにあった。
まさかティムの野郎。。。
嫌な予感が物凄くよぎる。
全身から変な汗がジワリと噴き出し、完璧焦りモードなモトボサツ。
「あのさ、ここにあった豚肉のパック知らん?」
「ああ、それ昨日食べた 賞味期限近かったしね」
「ええええええええ!?」
絶句し、その場でうなだれるモトボサツ。
今までセブで味わったことのない感情を覚えた。
この深い喪失感。。。どこまでも続きそうだ。
長崎124年の伝統を誇る坂本屋の高級角煮をペロっと食べておいて、まるでその辺のカレンデリアで50ペソのHUMBAでも食べたような軽さで平然とNikaon na koと言われたのがどうにも許せない。
我が家には常に飢えたメスライオン様がいることを忘れていた俺も悪いが、この思いが土に帰るのにはしばらくかかりそうだ。
ふふふ、また長崎へ戻る理由ができてしまったな。
教訓:セブでは美味いものは先に食っとけ!
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