フィリピンが右脳国家と呼ばれる所以。
それは歌とか踊りなど、生まれ持った才能に由来する系の教育コンテンツがポートフォリオの半分以上を占めている。
特にシヌログ祭りや、マクタンリゾートビーチ等観光産業で飯を食っているセブはシヌログ祭りで大いに稼ぎ、グアパビームで観光客を悩殺しGDP5%相当と言われるチップをガッポリ頂くセブアナ達はまさに適材適所のサクトな仕事をこなしているわけだ。
前回のブログで紹介したロビンソンのキッズーナ。
セブの在住の某氏がさっそく面白い話をフェイスブックにアップしていた。
そのままコピペ引用失礼します。
今日の出来事。
セブに新しくロビンソンモールがオープンした日なのだ。
妻と娘、そして友人のSさん親子はこのモールにオープンした、キッズーナという、職業体験(寿司屋、消防士、アイスクリーム、滑り台など)もできる日系のプレイランドに開店早々行ってみたのだ。
開店プロモということ90分で、本来250ペソが125ペソで楽しめるのだ。
入った時間は午後1時14分。
楽しく遊んでいると、放送で娘の時間が終わったというのだ。
時計をみると2時4分。
妻はレシートを持って、カウンターにいくと、
スタッフが「ちょっとレシートを発行した時間のシステムがおかしいようで、すみませんが、お時間です」というのだ。
妻が、「いや1時間半でしょ?」というと、
スタッフがなぜか、計算機を持ってきた。
スタッフが1時14分といいながら、計算機に
「114」
と押す。
そして足すボタン「プラス」を押して、
「90」
と、押して、
「204」
という答えが出てくる。
スタッフは「2時4分が、お時間です。」
と、のたまう。
妻は頭の中で
「きゃーーーーーすごい、この人は、時間の計算に計算機使っちゃってる。ここまで時間計算できない人にどうやって説明すればいいのだろうか」
と、かなり一人でパニックになったらしいのだ。
いくらオープン初日で慣れてないとはいえ、
時間計算に、114+90=204という計算式を持ち出すとは。。。。。
10進法と60進法の区別方法がよくわからないのだろうか。。。
妻はとりあえず、
「時間の計算に、計算機を使っちゃダメだよ。あの時計は合ってる?とりあえず、時間の計算には時計を使うんだよ」
といって、90分は60分と30分で成り立つことを説明して、
スタッフが納得してくださり、素直に謝ってくださった。
帰りがけにまでも謝ってくれたのだ。
こんなに謝ってくれる心優しいフィリピン人もなかなかいない。
「私は悪くない」っていう顔をする人がほとんどなのだ。
フィリピンのキャッシャーで106ペソの支払いで、おつりを5ペソコイン1枚で済むために、
私が111ペソ出すと、
キャッシャーはすごく困惑して、110ペソしか受け取らなかったりする。
私は算数や数学がすごい苦手だった。高校数学入試なんか35点だったし。
だから、彼女の気持ちがわからないでもない。
でも、この日系企業がスタッフを採用するとき、時間計算のテストは出さなかったんだろうな。。。
妻も私も、むしろきちんと謝れるその人間性に彼女を尊敬しましたという、話でした。
※実は、入店するとき、申込用紙に希望時間を書く欄があって、
[hour / minutes]とも書いてあったのだ。そこで
友人は「1.5」と書いたら、スタッフが、 「one point five?」と言い、友人が「yes、90minutes」というと、スタッフが「ah」と言いながら、その欄に「90」と書き直していた。
ちゃんちゃん。
典型的なフィリピンあるある大辞典。
フランチャイズの欠点。
それはせっかく最高のマテリアルを提供されても、使うスタッフがアホだとネコに小判となってしまう。
ぜひキッズーナにはスタッフトレーニングも兼ねて数字に強くなるメソッドを沢山入れてほしい。
そしたらうちのカワイイチャンも安心!
今セブにどんどん入ってきているラーメンフランチャイズも同じ。
最初は日本と同じように美味いが、半年経つとどんどんローカルレベルに陥る傾向にある。
自分たちがステップアップするのではなく、クオリティーをローカルレベルに下げることでバランスが保たれてしまうのだ。
フランチャイザー側は現地のクオリティーコントロールも同時に提供する事が肝要である。
セブは観光産業にハイパーブーストをかけて収益を得るため、人生の大半を歌と踊りのエンターテイメントに特化した特殊集団と言える。
ある意味非常に戦略的だ。
しかし、そこから生まれる副作用が痛い。
2年前、大学の授業でお買い物シミュレーションをやった時、ある事に気が付いた。
「アイスクリーム2つとチョコレート3枚とタバコ5本ください。全部でいくらですか?」
「・・・・・・・うーん・・・・」
日本語が難しいのでは無く算数自体が苦手なのだ。
だから
去年から私の大学の授業は日本語で学ぶ算数という事にカリキュラム変更した。
シラバスと試験問題をチェアマンに提出した時にかなり怪訝な顔をされたが、日本語で算数を習うとそれが一番効率かつ実践的だと言いながらそのまま押し切ってみた。
「イチタスイチワ ナンデスカ?」
「ニデス!」
そんな感じでモトボサツメソッドは+-×÷を使った計算問題を日本語教育マテリアルとして取り入れてみた。
「モトボサツさんの教え子さん達って数字に強いですね!」って言われるとボサツ冥利に尽きる。
しかし、私の授業の前のクラスは数学の授業で、黒板にそのまま難しい関数がズラっと書いてある。
フィリピン人の先生は黒板を消して行かないから分かり易い。
授業風景はかなり真面目にかぶりついている。
数学の先生やエンジニアを目指す大学生達だ。
自己主張指数は日本の数百倍。
数字が好きな子はその道へ素直に行くのがフィリピン。
ある意味日本より適性のある人材を探しやすいかもしれない。
しかし残念ながらパブリックの学校レベルが・・・
例えばマクタン島の小学校は子供の数に対して教室の数が足りない。
だから午前組と午後組に無理やり分けられ、午後組は午後からその辺で遊ぶしかない・・・
かと言って2倍濃縮授業を受けているわけではないので、ラッキーにも勉強しなくて良い。
キッズーナが提唱するように遊びで自然に大切な事を育める事がベスト。
施設不足で授業が50%削減されるフィリピンの現状。
余計なお世話だが、子供達の遊びに左脳に作用する要素をせめて入れると外貨を稼げる立派なOFWが育つかもしれない。