Philippine Long Distance Telephone Company
通称PLDTは昔の日本電信電話公社に相当する最もフィリピンらしい独占企業。
顧客満足度の低さには定評があり、銀行や病院等で何時間も平気で待てるフィリピン人達でさえ怒鳴り込むレベルだ。
そんな社会悪なブラック企業が平気で存続できるのはさすが世界屈指の魔国ならではだろう。
先日、事務所へバカみたいな高額請求が来た。
こんなもん払えるかとティムが出陣の指揮をとった。
私は馬周り歩兵隊として常にイクサのお供をしなければならない。
アミーゴへ乗り込みPLDTマンダウエ支店へ向かった。
給料日後のセブの渋滞はキチガイレベルで渋滞。
混沌とした騒音の中、諦めとイラつきが交錯する。
私は心を無にしてまるで一つの儀式のようにアクセルとクラッチを規則的に踏みつけるだけ。
空いていれば5分もかからない道を40分かけて通過。
PLDTに到着した時には憔悴しきっていた。
メスライオンが一頭。
受付で早速若いフィリピーナがスタッフに向かって吠えていた。
「もう一カ月もネットがつながらないよ ソス、ギャータイ」
ギャータイは非常に品の無い表現で、日本語でいうと”こんチキショウめ”みたいな感じで使われる。
私が使うと、「そんな悪い言葉つかっちゃいけませんよ」とか言うくせに、自分たちは普通に使っている。。。
ネットが1カ月つながらない?
福岡で陥没した30m級の穴がたった3日で修復する日本。
一方、高い料金徴収しておきながら一カ月もネットが復旧しないフィリピン。
その差はマリアナ海峡よりも深くお互いを1mmでも理解しあうのは不可能だ。
謎のホスピタリティーに惹かれてうっかり移住してしまうと速攻で大震災レベルの衝撃を受けてしまう。
もし1年以上フィリピンに住んでのんびりしてて素敵と言えたら本当の神だ。
しかし、この吠えるメスライオンに対しオスは何をしているのか?
まるで赤の他人のように我関せずボーっとテレビを見ているだけ。
俺カンケーないし
Wala akong pakialam
実にフィリピンらしい光景だ。
まるで母親に連れてこられた小学生の男の子レベル。
女性の方は、きっと日本のPパブでも行けばパロパロ中小企業社長を手のひらで転がし、クイックに全財産を手に入れる能力はあるだろう。
早熟なフィリピーナと永遠の子供フィリピーノ。
その実にアンバランスな組み合わせがフィリピン、いやきっと人類の摩訶不思議なバランスのようだ。
そして、
もう一頭メスライオンが隣のカウンターで吠え始めた。
身に覚えのない高額請求を送られたティムライオン。
1番カウンターの若いメスライオンと比べると貫禄が違う。
大画面フラットTVではオーストラリアのサメのドキュメンタリー番組をやっていた。
私は昔からなぜかサメの出てくる番組が大好きだ。
メスライオンの戦いをよそに、私とタンバイ男はそのサメの番組に集中した。
ダメな男ほど価値のある国フィリピン。
甘美だ。
甘美すぎる。
パタイ(人間の最後に訪れる儀式)ぬときに人生2度おいしかったなと思える気がしてならない。
フィリピンに住むなんて決しておすすめできないが、短い人生、どこかで踏ん切りつけて2度楽しむ決断があってもいいかもしれない。
そう思いながらのフィリピンライフ。
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