どの国でも政治家は演出力が大切だ。
フィリピンの場合はいかに貧困層への偶像度を高めるかがカギとなる。
特にフィリピンは現大統領がそうやったように、庶民の漠然としたヒーロー的存在であることをアピールすることが必須。
最近やたらとフィリピン人がフェイスブックでイイネを押すこの記事をシェアしてみたい。
パンパンガのガバナー(その州で一番偉い偉い人)であるLILIAさんは公立病院の対応が酷過ぎるということで改善に乗り出した。
フィリピンで公立の施設といえば映画でよく出てくるアルカトラス刑務所並みに理不尽の塊だ。
公務員の支配者ぶりがストレートな世界。
緊急外来は最悪だ。ドクターもナースも含め職員全取り換えしないとダメ!
パブリック病院の悲惨さは全国津々浦々随分と言われていることだが、ある赤ちゃんのパタイ(人間の最後に訪れる儀式)がきっかけとなった。
そして、職員を集めて説教を始めた。
反省のかけらもないドクターたち。
けしからん?
いやいや、実は打ち合わせ通りだ。
ドクターが柄にもなく反省したり改心する様子を映したら、勧善懲悪中のパフォーマンスとしては物足りないだろう。
この会見では”悪いドクターをやっつける正義の味方”という図が望ましいのだ。
「もっとプロフェッショナルになりなさい!」
小学校の全校集会の様だ。
悪い事した生徒がいると全校集会で教頭先生が生徒全員にマイクでこけ脅すあの感じ。
この場に集められたナースや職員の心に響くわけがないが、庶民が気分的に救われることが目的。
しかし、思いつき体質のフィリピン丸出しな場面だが、ひと月以内でも元の状態へ急速に戻るだろう。
日本と違い、自分の身分や権力をみせびらかして良い社会。
先日、日本人の知り合いとロビンソンサイバーゲートを通った時に、聴診器を首からぶら下げって高級ベトナム料理店で食事をする年配のドクターが目についた。
「あれ、ちょっと痛いですよね」
フィリピンでドクターは自分がドクターであることを言いたくて仕方がない。
暑い中わざわざ白衣を着てラーメンとか食べているドクターも結構居る。
車にはDoctor on boardやMDというステッカーを貼り付けている。
日本人の感覚からすると痛すぎる場面が多いフィリピン。
自己顕示欲溢れるフィリピンでは、虚栄心という概念は無く、持っている物を見せびらかすことが美徳なのだ。
今更オカニのない庶民の集まる病院で患者へうやうやしく接せよと言われても焼け石に水というか、たんなる政治家の人気取りパフォーマンスに過ぎない。
絶対的身分社会というカルチャーショックを存分に味わい日本へ戻ると、日本の役所の対応が神に思えるかもしれないとワクワクしている今日この頃。
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