単独アクシデント
歳をとると若いころにありえなかったことが起こり始める。
■パソコン入力時の誤字脱字が多くなり、しかも発見に時間がかかる。
■車を縁石に乗り上げたり車両感覚が鈍くなる。
■フィリピーナの甲高い声が聞き辛い。
脳の命令と体がアジャストしなくなるのだ。
先日ついにバイクで史上最大級の無様な失態をやらかしてしまった。
その日は雨が強かったせいか、セルスターターの効きが悪かった。
アクセルを煽り気味に押すとエンジンは無事にかかったのだが、はずみでスタンドが解除されてしまったからさあ大変。
バイクが急発進してしまったのだ。
もし、シートに座って居ればブレーキで簡単に制御できたのだが、運悪く立ちながらそれをやっていたので結果的に3メートルほど引きずられ、配電盤ボックスに激突し倒れてしまった。
すると、近くに居た白人の少年が疾風のごとく走ってきて助けてくれた。
歳の頃はそうさのぉ、17歳位か。
一見ロシア顔に見えたが、英語はネイティブ。
痩せた彼は74kgもあるオッサンを起こしてくれた。
「気にするなよ、俺もしょっちゅうやるよ」
私のプライドまでケアしてくれた。
素敵やん♡♡♡
素敵過ぎる!!!
「あっしゃ、ただの通りすがりのガイジンです」
彼は私がひとしきり礼を告げると白いバイクにまたがって颯爽とBTCのパーキングを後にした。
あれぞ騎士道だ。
自分が彼の立場だったら、何の躊躇もなく見ず知らずの他人を救えただろうか?
歳の差30歳以上。
なんだか、清々しい敗北感だ。
そんな感動的気持ちの余韻をぶち壊すように一部始終を見ていたセキュリティーガードがノソノソとやって来た。
表情からして明らかに私を心配している顔ではない。
「ホイ、お前、さっきどこにぶつかった?」
私は配電盤ボックスを指さした。
彼は私を1㎜も気づかうことなく配電盤をチェックし問題がないのを確認するとこう言った。
「あれは高いんだぞ、気を付けろよ」
彼はそれが仕事なのだ。
しかし、民度の差とはこれを言うんだろうな。。。
外見ばかり磨く国では心が反比例するのかもしれん。
しかし、もし自分だったら、困っている人を何の躊躇もなく助けたであろうか?
高倉健が出ていたLARKのコマーシャルが一瞬脳裏をよぎる。
大人になりたいと思った事は無かった。いつも男になりたいと思っていた。
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