日本vsフィリピン

【時代遅れ】客に土下座する日本人|フィリピンとドイツの日常から明らかになる日本の特殊性

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日本が特殊だという認識

私の住むフィリピンでは日本という国は世界でもトップクラスに素晴らしい国だと思われている。

日本へ旅行に出かけ戻って来たフィリピン人は皆大満足。

少なくとも悪口を言ってる人を見た事がない。

コンビニから五つ星ホテルまで同じ最高のサービスだったとショックを受けている。

実は私も3年半に1度のペースで日本へ一時帰国しているのだが嫌な思いをした覚えがない。

2年前、母が他界した際にティムとカワイイちゃんを連れて10日間日本へ戻った。

その際に長崎から羽田までJALの国内線に乗ったのだが、羽田でティムのスーツケースだけが流れてこない。

暫らくして呼び出しがあった。

ティムのスーツケースの車輪の部分がモゲてしまったと謝罪された。

セブのSMで3000ペソ程度で買った安物だったので消費材だと諦めが付いたが、カウンターのスタッフはまるで自分が壊したかのような神妙な顔をしていた。

結局修理代相当の弁償を受けるか、代替のスーツケースを受け取るか2択を提案されたが、弁償金を選択させてもらった。

セブのSMで買った安物のスーツケースが壊れてまるで得した気さえした。

一方、セブへ戻った時に今度は私のスーツケースがぶっ壊れていた。

車輪がもげるというレベルではなくボディーの角がえぐり取られており、すっかり中身が見えていた。

もちろんフィリピン航空側から壊して御免なさいという報告はなく壊れたままベルトに乗って流れてきた。

幸い中身はすべて無事だったが、ダメ元でカウンタ―へコンプレインをしに行くとスタッフは安定的に私のせいじゃないという顔をしつつあからさまに面倒臭そうな顔をこちらへ向ける。

私も使い捨てに近い安物のスーツケースごときで時間の浪費とストレスを溜めたくなかったのであえて泣き寝入りすることに決めた。

こういう経験をすると、日本は素晴らしくてフィリピンはダメな国だと単純に思ってしまうのだが、ドイツの事情を知ってしまうと実はフィリピンがダメなのではなく日本が異常なのだと気づいてしまった。

 

フィリピンと酷似するドイツの対応

私が10年以上住んだ国は日本とフィリピンだけなので他の国の事情は深く分からないのだが、ネット上で調べる限り先進国と呼ばれる国でもフィリピンと大して変わらないようだ。

フィリピンがおかしいのではなく日本が特殊だという裏付けとしてドイツの事情を調べてみることにした。

なぜなら世界でもドイツ人は日本人とよく似ているという話を何度も聞いていたからだ。

 

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ドイツの恐ろしい実態

謝らないスタッフ

ドイツ人は几帳面で真面目な点が日本人と似ているとよく言われるが、サービス面においては全くの正反対と言えるようだ。

日本ではほとんどのレストランで、ベルを鳴らせばすぐに店員が来てくれるだろう。しかしドイツには店員を呼ぶためのベルはなく、だからといって店員が注文をすぐに聞きに来ることもない。注文をするタイミングは、客ではなく店員のタイミング。基本的には、客は店員が来るまでひたすら待つのだ。さらに、店員がオーダーを間違えたとしても、すぐに謝ることはない。間違いを認めないことも多いようだ。

ミスがあっても自分のせいではないという態度をあからさまに取るドイツ人スタッフに現地に住む日本人はショックを受けるようだ。

アメリカの映画を観ているとフィリピンに似ていると思う場面が沢山あるが、まさかドイツまでそんな状況とは思わなかった。

 

客が感謝する不思議

Mさんはランニングシューズを新調しようと思い、ベルリン市内の専門店で、色々と試着をした結果、気に入ったものを購入したそうだ。その時に接客を担当した男性店員が、色々と靴を出したりアドバイスしたりしてくれたわけだが、すると「ありがとう」と言うのは常にお客さんなのである。

ここまでは日本でも同じかもしれないが、会計時にも、店員は「いい物を選んでやった」という満足げな様子で、Mさんが代金を払い、商品をレジ越しに手渡され、受け取りながら「ありがとうございます。じゃあまた」と言って、やりとりが終わる。

「ん?安くはない買い物をしてあげているのに、なんでお客さんである私だけがお礼を言ってるんだろう?」と、Mさんははたと違和感を覚えたそうだ。

客はサービスして貰ってありがとうと思い、店側はしてやっているという上から目線がスタンダードらしい。

 

完全な分業社会

ドイツ人の店員がこのような行動をとる背景には、個人というよりも、組織上の問題があります。ドイツでは職業が徹底的に専門化されていますが、この「専門性」と表裏一体になった「専門以外は自分の仕事ではない」という考えが、ドイツ人店員の姿勢の根底に流れています。

ドイツの雇用関係は、その人が専門とする「職業」をベースにして結ばれます。そこで求人広告でも日本のように「販売経験のある人優遇」ではなく、「くつの販売員求む」「肉の販売員募集」といったように、各分野の職業教育を受けていることが応募の必須条件となっています。

ドイツ人店員には「自分には専門以外の分野については知識も資格もない」という自覚があります。だから、ヒマにしている肉売り場の隣にチーズ売り場があって、そちらに長蛇の列ができていても、店主など責任者の指示がない限り肉売り場の店員は動こうとしません。

ドイツでは、店員がミスを犯した場合、雇用主(社長や店主)が連帯責任を問われることはほとんどありません。

この記事を読んで非常に納得したのが、フィリピンとドイツの共通点の根拠は雇用形態にあるのだ。

フィリピン人やドイツ人が悪い人というわけではなく、責任の所在がどこにあるのかという点が非常に大きい。

 

>ドイツでは、店員がミスを犯した場合、雇用主(社長や店主)が連帯責任を問われることはほとんどありません。

つまり最後は会社が責任を取る日本とは異なり、個人の責任にされかねないドイツではミスが発生した瞬間自分のせいではないと突っぱねるしかないというわけだ。

ただフィリピンの場合はミスがあるとスタッフの給料から天引きされるというプランテーション状態なのでミスに対する逃亡しせいは更に強固となるのだろう。

 

考察とまとめ

私を含め日本へ旅行者として行った人の満足度は安定的に高い。

恐らく世界一ではないだろうか?

突然雨が降りコンビニで折り畳み傘を買った時に「もし今使われるのであればカバーをお取りしましょうか?」とローソンのスタッフに言われた時には言葉にならない深い感動に包まれた。

日本に住んでいた頃にはそれを当たり前だと思っていた。

フィリピンだとコンビニ袋に入れてポイと渡されるだけ。

世界が驚く超ド級のサービスの裏舞台。

世界一サービスを受ける側の満足度が高いということはサービスを提供する日本側の消耗度は世界一苛酷ということなのだ。

毎年3万人が自殺する国であるという闇の部分は旅行者という立場のフィリピン人は知る由もない。

日本人が受け取る月給を大幅に上回る過剰なサービスを提供し、また自分のせいでもないのに会社を代表して土下座までするお客神様という精神。

終身雇用。

日本の企業はドイツと対照的に「最後は会社が責任を取ってくれる」という家族的な保証の裏付けがあってのことだ。

しかし、現在すっかり会社が家族であるという家族型の経営は完全に崩壊し長年一緒に働いて来た仲間が平気でリストラされていく。

上司は単なる価値組で部下は負け組。

責任者であるはずの上司や会社は罪を被らず担当者が犠牲になるという弱肉強食時代となってきた。

一方、お客様は神様という奴隷的な部分だけがしっかり残っているという実にアンフェアな状況なのだ。

今更会社側の現状を変えるのは不可能と思われる日本の社会情勢。

唯一出来るのは労働者側が海外と同じ仕様で分業の分散と責任の所在が確立されたドライな関係性へと向かうしか世界底辺レベルの幸福度を上げる方法はなさそうだ。

 

追伸

フィリピンだけしか知らないのは片手落ちだと痛感。

少なくとも複数の国にそれぞれ5年以上住んでみないと客観性は生まれない。

フィリピン人が特殊だと思い込む視線から少し離れなければならないと痛感。

他国の事情も常に天秤にかけながらドライに考察していきたい。

 

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お客様は神様なんかじゃない。服従した販売員をこの本で救いたい

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モトボサツ

2年のセブ島ジャングル生活を経てビサヤ語を習得。その後タガログ語も同時に習得し、最後は英語という逆ばりメソッド。現在生命保険、医療保険コンサルおよびビジネス通訳を兼ねる。元セブの大学にて3年間ストリート系日本語教師の経験あり。

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