現地でウケる日本

【衝撃】知らぬがボサツ|フィリピン人が知るべきではないリサイクルショップの闇|仏壇をタンスとして再利用?!

投稿日:2020年11月20日 更新日:

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日本の不用品大処分中

フィリピンで出来ては消滅を繰り返す日本製品のリサイクル店。

私にとってはタイムマシーン。

抱きしめたいほど懐かしい日本がそこにあるのだ。

日本を離れて14年。

3年半に1度のペースで10日ほど一時帰国するのだが、祖国日本は懐かしいどころか玉手箱を開けたような衝撃をくらってしまう。

テレビに目を向けるとみのもんたがお爺さんになっていたりするのだ。

旅行や語学留学でセブへやってくる日本人の会話にはついて行けない。

皆がかつて夢中になったAKBも実はリアルタイムで知らないし、時々セブ島留学にやってくる有名な女優さんですら私にとっては普通のオバサンなのだ。

そんな時代錯誤な私にとってリサイクル店の世界こそが私の知っている日本なのだ。

不用品として処分された家具、家電、健康グッズ、衣類、皿は昭和や平成初期に買ったものが中心となる。

つまりお年寄りの家から持ってきた物なのだ。

 

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リサイクル品の出どころ

私が日本時代の最後に携わっていたのが老人施設だった。

昔働いていた某ゼネコンた建てた老人施設の管理の仕事をさせて貰った。

家族と離別し誰も面会に来ない孤独なお年寄りたち。

日本で最も過疎化の進む地域の現状がそこにあった。

一方私は世界が全て灰色に見えるほど失意のどん底にいたタイミングでの赴任だったのだが、80年以上の人生の荒波を生き抜いたお年寄りは偉大に見えた。

そして家族を失ったばかりの私は率直に愛情を向けることが出来た。

全国的に状況は同じだが、老人施設の入所者は基本的に85歳を超えたお婆さんで構成される。

お爺さんは70歳前後で亡くなり、残った一人暮らしのお婆さんが脳梗塞で倒れ病院へ運ばれるが、自活するレベルまで回復出来ずそのまま施設へ回されてくるという流れの連続だ。

その際に住んでいた家の掃除と家財道具の処分となるのだが、まずごっそりと健康サプリが出てくる。

寂しさからか訪問販売の人と親しくなり、不要な量を爆買いするのだ。

そして地元の信用金庫や農協と書かれたタオルも大事に保管してある。

哀れなのはお年寄りに甘やかされまくり苦労を知らないペット。

最低限の衣類だけをバッグへ詰め込み、他はすべて業者に有料で引き取ってもらうのだ。

また老人施設への入所を待っている間に亡くなってしまうケースもあった。

お年寄りの家の処分品がまとめてフィリピンに流れて行くとはつゆしらず。。。

 

盗難アジア

有料で引き取ったアイテムをフィリピンに送って販売し利益を更に得るという流れは奇跡の商売なのか?!

しかし、ご存知の通り、そうは問屋が卸さないのがフィリピンだ。

フィリピンという国は外国人が資本を投じてビジネスを行うにはハードルが高い。

普通、日本だと5分で出来てしまうような処理でもダラダラと1カ月かけて行われる。

また精度も恐ろしく低いので2度手間、3度手間は当たり前の世界。

日本人が大嫌いな時間、労力のロスの塊だ。

2018年世界銀行による「ease of doing business」でのフィリピンのランキングは 190 ヵ国中 113 位。

 

イノセント
フィリピンよりヤヴァイ国が77ヵ国もあるのね!?
モトボサツ
そういう国でもっと酷い経験をすればきっとフィリピンが益々素敵に感じるとです

 

主にフィリピンがビジネス投資環境として評価されているのは以下の3点となっている。

  • 低賃金と英語での運用
  • PEZAという税金優遇制度
  • 労働争議が少なく扱いやすい

世界銀行が決して表立って言わない労働力の裏側。

安かろう悪かろうとは率直に書けないのだろう。

現地に住む日本人ビジネスマン達の悲痛な叫びを聞いていると上の3点も綺麗事にしか聞こえない。

この10年でマニラ、セブでやっていた日本製品のリサイクル店の多くが消えた。

 

なぜ続かないのか?!

安い労働力?

英語が通じる?

 

ふふふ、甘いな。

 

丁度お店に代表の方がいたので、ガス抜きを兼ねてセブでの商売の大変さを聞いてみた。

結婚式の引出物と思われる和風の皿を落として割る。

怒ると1枚しか割っていないとドヤ顔で言い訳するスタッフ。

床が固いから割れたという言い訳も鉄板だ。

普通に運営するだけでも大変。。。

しかし、そんな事は序の口。

 

「コンテナごと消えるんですよ!」

 

1本80万円前後かかっているコンテナ3本がまとめて消えたりする。

一通りの手間をかけ何とか税関を無事に通過しても店へ向かうはずのコンテナトラックが失踪する。

当然地元の警察は役に立たないどころか盗賊と組んでいる可能性すらある。

盗難アジアの異名をとるフィリピンの真骨頂だ。

時々これ見よがしに違法輸入の高級車をブルトーザー等で破壊するシーンが報道されるが、あれはあくまでパフォーマンスショー。

上手いこと税関のオフィサーに取り入って裏金を渡した業者の中古車が普通に売られまくっている現状を見ると、合法的に商売をすることに慣れている日本人にとって非常にやり辛い世界なのだ。

つまりフィリピンでの商売は難しいというよりアホ臭いという結末になる。

マニラの知人に聞いてみると、日本アイテムを扱うリサイクルショップも高回転で出消するらしい。

なかなか厳しい世界のようだ。

ここ5年程でコンテナの単価も厳しいレートとなり多くの業者が廃業した。

しかし、マニラとセブの違いは駐在員の数の違いだ。

カビテやラグナを始めとする工業特区に赴任する駐在員の数はセブの比ではない。

駐在赴任してから5年後に引き上げる際、家具、家電、ゴルフセットをごっそり引き取って貰いそれが店頭へ並ぶ。

面倒な税関を通過せずともフィリピン国内で日本の商品が流通する駐在員アイテムを買い取るのが最も安全というわけだ。

 

フィリピン人が知ってはならない闇

 

コンテナから荷物が届き、広い倉庫型店舗内でカテゴリーごとに商品が陳列される。

懐かしい想いに駆られながら店内を散策。

ふと、赤ちゃんのオムツ的なパッケージが無造作に置かれているのが目に入った。

よく見ると女性用の尿取りパットだ。

適正年齢は書いていないが、それが必要なのは間違いなく高齢者。

 

ライフリー テープ用尿とりパッド 夜用 4回吸収 33枚

 

きっと、持ち主のお婆さんはストックを使い切らずに亡くなってしまったのだろう。

そして、散策を続けていると入口付近にお通夜で使うぼんぼりを発見!

また少し離れた棚に陳列されているトロフィー類の中に位牌が。。。

点と点が繋がった。

お婆さんの家の遺品がごっそりとセブへ送られて来たという流れが分かりやすい。

フィリピン人が知ってはならないリサイクルショップの闇だ。

 

 

お通夜で使うぼんぼりはオリジナリティ溢れる和風なクリスマスツリーだ。

日本から送られて来た仏壇を高級タンスとして利用しているフィリピン人もいるらしい。。。

そして仏壇の中に置く位牌も事情を知らないフィリピン人が見れば黒地に金文字のクールな盾にしか見えない。

外国人にとって漢字は意味不明であればあるほどクールなのだ。

 

フィリピン人をマーケティング

業種を問わず、フィリピンで商売をする日本人の希望は「出来るだけフィリピン人のお客さんに来て欲しい」となるが、またそれがなかなか難しい。

日本人とフィリピン人の価値観は全く異なる。

奇想天外なものが受けたりするのでマーケティングが非常に難しい。

だから現地では日本人よりもフィリピン人がやっている日本食レストランの方が繁盛する傾向にある。

先日訪問したセブ市にある某大型リサイクル店のでお店の人に話をうかがったが、意外なものがフィリピン人に人気だった。

 

もっとも売れているのが木彫りのクマ!

 

フィリピン人にとってクマとは寒い地域にのみ生息する神話級の生物で、口に咥えているサーモンもフィリピンでは高級シーフード。

それが高給な日本人職人が掘った木彫りの工芸品ともなればリビングにドヤ顔で飾りたくなる逸品である。

他の売れ筋といえば般若の面、印籠、鎧兜など忍者を彷彿させるいかにも時代劇がかったアイテム。

日本でも外国人観光客に絶大な人気のある日本刀だが、フィリピンではサムライと呼ばれている。

 

 

リサイクル店あるあるなのが運動器具。

テレビショッピングで買ったと思われる特上品が並ぶ。

恐らく機能回復訓練を意識して買った室内自転車だが恐らく3回程度しか使われず新品同様の状態でセブへ送られて来たのだろう。

 

 

アライのヘルメットをチェックするカップル。

話しかけてみた。

モトボサツ
アライってフィリピンでは「痛い」って意味だけど、そのヘルメットってどうよ?

「値段が痛いわ!」

 

モトボサツ
ごもっともです!

 

まとめと考察

我々日本人がフィリピン人を見て異星人の如くギャップを感じるように、向こうも日本人や日本のアイテムをまるで月面の石の如く思っているようだ。

お通夜で使うぼんぼりや仏壇の中に置く位牌も知らなければリビングを飾る美しい装飾品。

フィリピン人が知らない方が良いリサイクルショップの闇。

店の中にたかっているフィリピン人客を観察するのも非常に面白い。

ぜひノスタルジックな想いに浸れる貴重なスポットとして商売継続して頂きたく思う。

 

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2年のセブ島ジャングル生活を経てビサヤ語を習得。その後タガログ語も同時に習得し、最後は英語という逆ばりメソッド。現在生命保険、医療保険コンサルおよびビジネス通訳を兼ねる。元セブの大学にて3年間ストリート系日本語教師の経験あり。

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