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大ハプニング「あなたの国籍フィリピンになっているよ」|セブ島の法廷結婚の様子のまとめ

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フィリピンの結婚式の様子

無事に法廷形式で結婚の登録を済ませることができた。

自分の地味な人生でまさか2度も結婚する事になるとは夢にも思わなかったがそういう運命だったのだろう。

カトリック教徒が9割を超えるフィリピンでは結婚式は教会であげる人が多いが、パンデミックで教会は自粛ムード。

フィリピンのコロナ婚ではシビルと呼ばれる合理的なやり方で行うのが今年の主流らしい。

結婚することに対し義務的な私とは対照的に、ティムはブルドーザーのようにガンガン推し進めてきた。

あの情報収集と遂行力はフィリピン人らしくないレベルだとつくづく感心。

マンダウエ市にあるHole of Justice(司法関連オフィス)で結婚式を行うことになった。

式といっても招待客が居るわけでもなくウエディング姿の新婦がいるわけでもない。

極めて事務的な儀式と手続だ。

ティムの友人の中から見届け人が2名選出され、判事、新郎新婦、仲人2名の5名で執り行われた。

なぜ結婚式に判事が絡むのか?

一体これからどういう手続きが行われるのか興味深々。

30分ほど前に法務局の担当者へ挨拶をし、廊下の待合ベンチに座り暫らく待つことになったが、どうせフィリピンタイムで1時間待たされる覚悟は出来ていた。

長い廊下の各オフィスに設置してあるエアコンの吹き出し口が待合側に向かって噴射する恰好で付いている。

 

 

まるで熱風拷問。

税金を支払っている市民という存在は一体何なのだろうか?

やはり後進国特有の負け組庶民?

私はまるで檻の中にいる落ち着きの無いトラのようにイライラしながら廊下を行ったり来たりした。

外の方がよほど涼しい。

しかし、いかにもこれから結婚しますという浮いた恰好をした我々は完全に注目の的だった。

フィリピン人はジロジロと興味の対象を見るということに少しの罪悪感もないようだ。

15時半になり担当者が我々を判事のいる裁判室へ入るように手招きした。

部屋の中へ一歩入った瞬間、エアコンによる冷たい空気に包まれたそこは正に天国だった。

誰かの快楽は誰かの苦労によって作られている事情がよく分かる。

奥の席に黒い法衣を着た女性の判事が座っていた。

歳のころはそうさのぉ42歳くらいか。

典型的なチノイ(中華系フィリピン人)熟女。

一般的にフィリピン人は権力を持つと分かりやすく横柄になるものだが、親の教育がしっかりしていたのか、拍子抜けする位物腰の柔らかい態度だった。

まず、新郎新婦とも名前を確認される。

そして、いきなり妙な質問が始まった。

「ボサツさんってフィリピン人?」

いつもは頭ごなしに「韓国人?」と聞かれるのだが意味不明。

どうやら法務局から提出された書類には私の国籍がフィリピンと書いてあるらしい。

手続きの時担当者とビサヤ語で話したせいだろうか?

しかし、判事の取り扱う書類にいきなりミスがあるなんてフィリピンあるあるだ。

フィリピンの役所の仕事は驚くほどいい加減で、私のみならずスペルミスで出生届の名前が微妙に違ったり、生年月日を間違って記録されることが多々あるので始末に悪い。

もし判事がスルーしたら私はフィリピン人夫として登録されていたのだろうか?

まあ、フィリピンの公務員は極楽業務で、法務局のスタッフも終始お菓子を食べたり緑色の某アイスをベロベロしながら仕事をしていたのでその結果に合点が行く。

判事はため息交じりにブザーを押し、スタッフを呼んだ。

堂々とフィリピン人と書かれてあるところを日本人に訂正するように指示したが、スタッフは一言も謝らず書類を無表情に受け取って別室へ去った。

一切反省しないのがフィリピンの神髄。

その間に別の質問があった。

「なぜ結婚しようとしているの?」

全く余計なお世話だが、法的な権限により判事が気に入らなければ結婚という法的な承認を行わないということなのだ。

子供が6歳になりそろそろ法的にきちんとしておきたいと教科書通りに答えてみた。

そして誓いの言葉。

判事が話す文言をフォロー、つまり英語のレッスンで言うシャドーイングのような作業が始まった。

何も見ず、聞えた音だけを拾って再現する。

もし英語が苦手な新郎だと一体どうなっていたのだろうか?

結局、判事の仕事はカトリック教会の神父の役割も兼ねているという事が分かった。

大変合理的ではないか?

普通は教会で近いの儀式と新郎新婦と見届け人のサインがなされ、その後法務局へ行き登録作業となるのだが、法廷だとそのまま判事から法務局へと渡される。

しかし、気になるのが、仲人が我々の様子を普通にスマホで撮影していることだ。

日本では裁判所の様子を撮影するなんてご法度もいいところだが、フィリピンではそういう感覚はないのか?

そのうち間違った書類を訂正したスタッフが入って来た。

4枚同じ書類に署名をさせられ終了。

最後は判事を入れて記念撮影まで行った。

 

 

その流れで雑談へ突入。

チノイな女性判事のお気に入りは大阪らしい。

特にセブのフィリピン人は東京よりも断然大阪を好む傾向にある。

ストリートフード溢れる環境が楽しいようだ。

食べ物も最高だしショッピングも楽しいとオバサン判事は喜々となった。

最後に判事から釘を刺された。

「フィリピンでは離婚は出来ないから覚悟してね。これがあなたの最後の結婚よ。」

適当で軽過ぎる法廷結婚式だったが、そこだけはズシリと重みがあった。

コロナ婚ではマスクが必須。

奇妙な記念撮影となったが、それも良い想い出だろう。

 

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モトボサツ

2年のセブ島ジャングル生活を経てビサヤ語を習得。その後タガログ語も同時に習得し、最後は英語という逆ばりメソッド。現在生命保険、医療保険コンサルおよびビジネス通訳を兼ねる。元セブの大学にて3年間ストリート系日本語教師の経験あり。

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