飛び込みやすい場所
橋は国を問わず、どうしても身を投げる舞台となってしまうのだ。
8年程前、マクタン島に1年半程住んでいたことがあるのだが、早朝ジョギングコースの中でも最もロングバージョンだったのがブリッジコースだった。
マクタン島とセブ島の間に橋が2本かかっており、空港に近い方がニューブリッジ、もう一つがニューブリッジと呼ばれている。
反時計回りにニューブリッジからオールドブリッジを経由して戻ってくるコースなのだが、朝5時半きっかりに出発しないと通勤ラッシュの始まる7時前後には猛烈な排気ガスに覆われるため健康維持どころではないという切ない状況があった。
その際に海面を眺めながら橋に設置された歩道を走るのだが、毎年のように橋から身を投げる人がいるという話を思い出していた。
特にオールドブリッジの方から飛び込むケースが多い。
先日、タクシーでマンダウエからマクタンへ行く道中、オールドブリッジを通過中に突然ドライバーがこう言い出した。
「去年、乗客だったKTVガールが途中で車を降りてここから飛びこりてパタイした」
フィリピン人にしては珍しく寡黙なドライバーが突然不吉な話を始めたのだ。
詳しく聞いてみると、マクタン島のKTVバー(通称ローカルビキニバー)でダンサーをしていた女性らしい。
ネットで調べてみると記事が出てきた。
そして、先日ハバルハバルのライダー(バイクタクシー)がまた飛び込んだ。
日本に比べると圧倒的に自殺者の少ないフィリピンだが、男女間の痴情のもつれで悲観してコミットしてしまうケースが多いようだ。
しかし、ニューブリッジよりもオールドブリッジのほうが飛び込む率が高いのはなぜだろう?
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