昨年JOJOのカーエアコンショップで修理をした時にこう言われた。
「恐らく半年位したらエアコンの効きが悪くなるだろう。その時はまた来てね」
彼の予言どおり半年経過したあたりからエアコンの効きが突然鈍くなった。
良くも悪くも目の前の事だけに集中する特質をもつ民にとって予想や計画を立てるのは変態かもしれない。
フッ、そろそろやね・・・
私は既にエアコン点検が楽しみになってしまっている。
まるで美容室でも予約するような気持ちでティムに電話予約してもらった。
「明日午前8時にエアコンの調整に行くからよろしくね」
セブの庶民が集うE-mallを通り越し500m先をラバンゴン方面へ右折し、超ローカルゾーンへ突入する。
セブの素顔。
見慣れた光景が広がる。
土地は個人名できちんと登記されていないだろう。
まるでビキニバーの舞台裏のように場末感溢れる雰囲気を醸し出す路地。
こういったドローカルの路地裏では男は上半身裸で女はノーブラが基本だ。
ノーブラは健全な男にとって魅力的な響きだが実は両刃の剣。
オバチャンノーブラの脅威にさらされることもある。
視覚的負荷が非常に高い場面。
急いで短期記憶を上書きしようと若い女性を探したがそんな時に限ってオカマしかいない。。。
ハイナコ。
ジョジョの店。
相変わらず繁盛している。
ほぼ満車状態の中無理やり鼻を突っ込んだ。
現場を指揮していたジョジョはこちらに気が付いて手を挙げた。
「あなたの秘書が昨日電話で8時に予約したのであなたの車を優先的にするよ」
秘書?実はあの人のほうがボスだったりするとです。。。
フィリピンで予約がちゃんと成立する場面はかなり稀有だ。
予約の意味を分かっているフィリピン人は少ない。
これは日本で生活しなければ身につかない高度な技なのだろう。
彼は手短にスタッフへ指示し、スタッフは正に彼の手足となって動いた。
まずコンプレッサー付近の圧力を測定。
行きあたりバッタリ感がない。
3種の神器がそろうジョジョの店。
1)いきなり作業へ入らず作業内容を客へ伝える。
2)まず故障状態を伝え、修理の意思決定をとる。
3)次回のメンテタイミングを伝える。
たった3つのステップだが、フィリピンではほぼ見た事が無い。
いきなり作業へ入り、見積無視した独自路線を自身もって突っ走るのがフィリピンの常。。。
そして、2)はインフォームドコンセントと呼ばれビジネスでは必須の場面だろう。
責任という言葉が存在しない世界では一番難易度が高い項目かもしれない。
3)については基本的にオーナーからスタッまで顧客満足や売上向上というマインドが無いので、面倒臭い事はやりたがらない。
多くのオーナーはビジネスオーナーになること自体が目標なので単に偉そうなだけ。
ノーブラ地帯でこのクオリティー。
ドラスティックなまでのギャップが痛快だ。
この繁盛ぶりを見て思った。
やはりフィリピン人だって質の高いサービスの方が嬉しいだろう。
そして最後に4)を追加したい。
店は客にとって居場所だ。
またあそこへ戻りたいと思う店作り。
そこが商売の醍醐味であり最も大事な要素だと感じた。
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