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セブ島でうつ病を治した人達|うつ病は人間環境によって工場出荷時へとリセットできるのか?

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セブ島でうつ病を治した人達

私がセブでこれまでに出会った日本人の中には「元うつ病」であるとカミングアウトする人が想定以上に多かった。

私との関係性によって辛い過去を告白しやすかったのかもしれないが、傍から見るととてもうつ病を患っていたなんて信じられないほど快活な人ばかりだ。

そして、その多くの人がフィリピンに来てから劇的に快方へ向かったという。

また、「うつ病」だけではなく日本では「自閉症」だと言われた知人もフィリピン人の中で生活し回復している。

 

フィリピンにはうつ病を治せる場所だとすると、それは南国の気候なのだろうか、それとも日本人とは真逆の人生観をもつ人達の治癒パワーなのだろうか?

少し考察してみたい。

 

うつ病は感染するの?

日本だと症状が重く、フィリピンにいると快方へと向かうそのメカニズムとは一体何だろうか?

これは私見だが、うつ病とは対人アレルギーまたは伝染病の要素を多分に含んでいると思っている。

以前名古屋の精神科のドクターから「うつ病の人のそばにいたらうつ病がうつる」という話を聞いたことがある。

その人自体かなりやばい顔をしていたので自分の事を言っていたのかもしれない。

まじめな精神科医の多くはうつ病の患者とのやり取りでミイラ取りがミイラになってしまうケースも多いらしい。

いわんや最も密接な関係である家族や恋人ならなおさらだろう。

人から人へうつると言ってもコロナウイルスのように空気感染するものではなく、目に見えない人間関係という歪みによって精神的ダメージを食らってしまう。

つまり人災だ。

そして、人関関係によって受けたダメージは人間関係によってしか治らないという。

私は三十代半ばにうつの症状を発症し、まるで廃人のような生活を送ったことがある。

些細なきかっけが心の致命傷となりどんどんと深みにはまって行き、食事も喉を通らず外出も辛すぎて出来ない体となってしまった。

そんなある日、私の弟がある事情で我が家へ転がり込んできた。

当時私は日本人女性と9年間ささやかな家庭を築いており娘が一人いた。

通常なら週末になると家族でショッピングや行楽へ出かけたりするのだろうが、うつ状態がひどく一歩も外へ出れない程になっていた。

そんなディープな状態なのに弟が近所へ宅急便を出しに行ったりする際にはなぜか軽い気持ちで同行することが出来た。

突然の彼の登場のおかげでまるで薄皮を剥ぐようにが外出が可能となり、最後は菩薩から阿修羅へと変身したのだった。

私が人間関係からダメージをうけ人間関係によって回復するとうことに確信を持つのはこういった自分自身の経験による。

 

フィリピンの動き

 最近フィリピンもコロナ禍の影響でディプレッションと呼ばれるうつ状態により自殺をするフィリピン人が増えているという。

フィリピン人の全てが楽天的で非完璧主義というわけではなく、内向的で悩みやすい人もいるのだ。

自殺とは無縁と思われるフィリピンも時代と共に社会が複雑化し精神的に追い込まれる機会も増えてきているのだろう。

子供の数の変化もその証拠として挙がる。

30歳を超えて独身で出産歴のない女性が意外と多いのだ。

人口ボーナスがフィリピン唯一の財産などと言われる時代はとっくに終わってしまったのかもしれない。

 

日本とフィリピンの大きな違い

私が感じるフィリピンの人間関係のアドバンレージは個人攻撃の少なさにあると考える。

まあ、これは逆に言えば責任者不在のいい加減な社会のなせる技なのだが、犯人捜しをしないのが特徴だ。

うつ病といっても色んなタイプがあるが、よく言われるのが完璧主義な人や他人のせいに出来ない人がうつ病になりやすいと言われいる。

その観点から言えば、フィリピンでうつ病になるのはほぼ不可能という行動がとられている。

世界一のナルシストだが、他人に完璧を求めない。

何かあると「Pinoy kasi(フィリピン人だからね)」という一言で終わってしまう。

給料が出たらその日に散財してしまうので給料日を2回に分けるほど将来への不安を煽られることはない。

アリとキリギリスに例えれば完全にアリの日本人に比べフィリピン人は今を楽しむキリギリス。

その後だれかに泣きついて借金すれば良いという他力で生きている。

うつ病に効くポイントとして「今を楽しむ」という要素が非常に効いているような気がしてならない。

また気候的にもセロトニンが溢れそうな位の日差しでうつ病なりにくい環境であるように思われる。

 

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まとめと考察

セブでうつ病を治した知り合いは自営だったりリタイヤメントで移住し働いてない人が多かった。

以前、フィリピンで働く日本人「現地採用」という奴隷制度という挑戦的な記事を書いたことがあったが、うつ病の人に絶対におすすめしたくないのが現地採用という立場だ。

色んな意味で板挟みとなり日本以上にストレスがかかる。

給料は日本の大卒初任給以下。

うつ病を治すどころか、健康な人もやられてしまう可能性がある。

フィリピン人と利害関係を作らず、犯人捜しをしない「いい加減なパワー」を受けることで日本でダメージを受けた精神が工場出荷時にリセットされることが期待できる。

 

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モトボサツ

2年のセブ島ジャングル生活を経てビサヤ語を習得。その後タガログ語も同時に習得し、最後は英語という逆ばりメソッド。現在生命保険、医療保険コンサルおよびビジネス通訳を兼ねる。元セブの大学にて3年間ストリート系日本語教師の経験あり。

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