タクシー生活は小銭が貯まって仕方がない。
セブ市内は移動区間が短く、100ペソから若干釣銭がくるケースが多い。
メーターが85ペソの場合、50ペソ札と20ペソ札をそれぞれ1枚と15ペソ分のコインを用意すればピッタリなのだが、一刻も早く降りたいよそよそしいタクシーの中で、コインをゴソゴソと用意するなどやりたくない。
しかも夜とか車内灯をつけてくれる気の利いたドライバーはほぼ居ないので暗がりで良く見えない。
だから、とりあえず100ペソ札をポンと出して適当に小銭を貰うことになってしまう。
そしてコインを得意のジップロックにチャリンと入れているうちにまるで小銭両替商のようにどっさりと膨れた袋を持ち歩くことになった。
先日、セブンイレブンで買い物をした際にこの小銭袋をおもむろに出して支払った時にこう言われた。
「Sir please change your coins!」
おいおいおい、普通逆やろ?
どこの世界に客がコンビニのために両替してやる話があるか?
しかし、ちょっと考えた。
どうせろくに数えないだろうから、多めに言ってみようじゃないか。
私はジップロックをドカっとカウンターに置き勝負に出た。
「これ200ペソだよ!」
明らかに袋の中は150ペソに満たないのだが、想定通りスタッフは数えることもせず普通にポンと200ペソくれた。
ふふふ。
釣銭不足を解消された喜びにあふれるセブンイレブンキャピトル店。
レジの残高と帳簿は合わないだろうな。
いや、合っていないことに気が付かないだろう。
っていうか帳簿と残高が合わなくても誰も怒られないだろう。
実は低賃金で働かされているスタッフはそのロスも大前提に給料が設定されているとはつゆ知らず。
アジアで最も高い電気代にもかかわらず、エアコン全開でドアも開けっ放し。
結局、最強の搾取システムが機能しているフィリピンではそれでも資本家ぼろ儲け。
フィリピンとはそんな世界だ。
一般的にフィリピンの店は朝から晩まで釣銭不足。
釣銭の用意をしないのか?
しないのではなく出来ないのだ。
目の前に見えている事だけで生活していると、まだ見ぬ数時間後に小銭が必要だと分かるはずもない。
プレッシャーやストレスがない代わりに釣銭も無い。
しかし、1円のズレも許されない日本という少々異常な国から来てイライラしている我々は余計なお世話。
店も客もそのいい加減さを可として成り立つバランスで心地よく生活している。
わゆるフィリピン生態系なのだ。
そこを勝手にガイジンが文句言いながらその余計なお世話をぶちまけて平和な生態系のバランスを崩そうとしているだけなのだ。
釣銭が無くて文句言う客もいないから将来的に改善される兆しもなし!
それでいい。
150ペソ入りの袋が易々と200ペソに化ける世界もいとをかし。
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それを得意のジップロック