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唯一読んでいたブログ
10年前、マニラから引き揚げて来たばかりの私はマクタン島に住み始めた。
引きがあって通訳の仕事を始めたばかりだったのだが、そこへティムがおしかけ女房としてスービックからやって来て修羅場多発な頂上決戦が繰り広げられたのだった。
ティムは強引にやって来ておいて、ことある毎にマクタン島は住み辛いと不満を言っていた。
確かに彼女が住んでいたスービックは元米軍が作った街で路面の舗装状況や車のマナーにおいてはフィリピンでもトップクラスだろう。
そんな中、ラプラプ酋長が出てきそうなワイルドなマクタン島に来ると、まるでアフリカのサバンナにいるような感覚になる。
常に砂ぼこりの舞う環境では肺が直ぐにやられそうだった。
ティム以外に誰も知り合いはおらず、見知らぬ土地で小さな幸せを拾い集めながら粛々と生活していたのだが、そんな中、唯一読んでいたブログがあった。
「セブでよろしく」というタイトルのブログだった。
ダイビングのインストラクターをしていたE氏が運営していたブログサイトだが、マクタン島に住んでいるらしく見覚えのあるモールや教会がよく登場し、それを読むことで何となく孤独なアウェイ感が薄れる貴重な存在だった。
またE氏は当時嫁と上手く行っていないと盛んに書いており、バツイチ男の私としてはそういう他人の不幸話が妙に飯上手かった。
もし、「20代の美人の嫁と毎日ラブラブです」なんて書かれた日には即攻でブックマークを外していたに違いない。
けしてステキではないE氏の赤裸々ローカル生活記事をこっそり読むのが唯一の楽しみであったマクタン島時代。
その後、仕事を通じE氏と直接の知り合いとなったのだが、実は「セブでよろしく」を書いていたのが彼だとは暫らく知らなかったのだ。
ある時、共通の知人からE氏がブログ運営者であることを告げられドラマチックに驚いた。
その影響で私も「モトボサツブログ」を書いているのが自分だと自ら紹介しないようにしている。
書いているのが私であると知らずに何年も知人を続けている人が何かのきっかけでモトボサツが私だと知った時のサプライスが妙に嬉しい。
ところで、先日E氏から約10年ぶりに連絡がきた。
現在は「フィリピンでよろしく」というブログを書いているということだ。
せっかくなので、うちの近所の超高級喫茶「UCCカフェ」でお茶をすることになった。
貧乏症の私はわざわざクソ高いカフェに行くよりもダンキンドーナツに4回行く方を選ぶんでしまうのでUCCには2年に1度程度しか行かないのだ。
集合日はあいにくの大雨だった。
仕方なくサイクロン号で行くのをやめ、ティムのアミーガ号を借りて出動。
マヨを買う事を絶対に忘れる自信があった。
だから短期記憶が消えないうちに先にスーパーへ立ち寄りキューピーマヨネーズを買うことにした。
時間があまりない。
自分で探すのを止め店の女性スタッフに場所を尋ねた。
「Naa あるよ」
そのスタッフはちょっと不愛想に答えながらも私を売り場へ案内してくれた。
パッケージに「1/2」と書いてある。
カロリーが半分だと言いたいのだろうが、私はわざと意地悪な質問をしてやった。
するとスタッフからは「知らん」と無機質な答えが返って来た。
正直が許されるステキな国だ。
そして約束の時間となり「UCCカフェ」へ入ってみると既にE氏は奥の席へ座って待っていた。
現在はセブから単身赴任でマニラで生活しているということだったがコロナの影響で暫らくマクタンへ帰省しているとのことだった。
聞くのを忘れたが、離婚寸前だった嫁とはまだ続いており寄りを戻したんのだろうか?
結局オッサン二人で170ペソもする「UCCスペシャルブレンド」とやらをすすりながら3時間ほど長居してしまった。
階級社会の権現「UCCカフェ」へと続く
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