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【在住者が語る】5月11日の便で帰国する日本人とフィリピンのヤバい現状

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個人主義が仇となる

明日のフィリピン航空の便でフィリピンを去る日本人の知人がいる。

被災地に取り残されるような寂しくも恐ろしい感覚が襲って来る。

これまでもコロナ問題を機にセブに住む友人知人が随分と日本へ戻ってしまった。

コロナ危機が始まって以来、お互いの安否を気遣いながら共に戦って来た感じだったのだ。

また同じ50代ということもあり、フィリピンでコロナにかかってしまうと生存率が低いという心配もある。

現地で生活しながらフィリピンにおけるコロナ感染収束の難しさを痛感している日本人は多いはず。

フィリピンの現状は芳しくない。

実際、コロナ感染者の新規発生率を見てもアジア他国と比べその違いは歴然としている。

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ツイッター上にあるグラフではフィリピン(左上)は未だに新規感染者が絶賛増加中なのに比べ、アジア圏内でも日本や香港タイといった明らかに終息に向かっている国もある。

この違いは一体何なのか?!

医療レベルの違い?国民の経済力の違い?

それだけではない複合的な問題が起因しているのであろうが、フィリピンの場合は特に国民性が起因しているように思えてならない。

私は日頃からついつい日本とフィリピンを比較しながら生活している。

それがナンセンスな事だと分かっていても、痛い目に遭うたびに究極的には国民性の違いを突きつけられるのだ。

結論から言えば、日本人は集団主義でフィリピン人は個人主義だということ。

ポジティブに働けば陽気で明るくホスピタリティー溢れ、日本と違い自分らしさ許してくれる最高の国だと表現される。

しかし、利害を離れ団結が必要とされる非常時にはその個人主義が一気にネガティブな方向へ働く。

2011年3月11日、私はマニラに住んでいたが、震災で日本人同士が無償で物資を提供し合い助け合う姿をみて理解できないフィリピン人も多かった。

「なぜ物資を無料で配るの?フィリピンだったらチャンスだからいつもより高く売るよ」

そう真顔で聞かれたこともある。

時代を激変させるコロナ感染危機はまさに世界規模の大災害といえよう。

非常時になると浮き彫りにされるのがその国の本質。

セブでは5月6日から感染地域とその数を特定するために「Rapid mass testing(迅速抗体検査)」が行われているが検査対象となっている市民は非協力な体制である。

抗体テストを拒否する人々

行政が決めた方針に従うという義務感はない。

もし陽性だったらその瞬間から隔離され、近所からはウイルス野郎扱いされえらい目にあるだけだ。

前日担当者がわざわざリストアップされた人の家へ訪問し、テストに対する合意を受けたにも関わらず、検査当日半分も集まらない。

このドタキャンこそが「フィリピンあるある」の上位にくる現象だ。

企業のスタッフ募集の際も同じだが、応募者からレジュメを受け取り時間をかけて20名を選考して、当日の面接準備をしても実際やって来たのは1名だけだったというオチもざらにある。

しかし、一方、Social Amelioration Program (SAP)と呼ばれる現金支給サービスでは1000名を超す人が行列を成す。

何か貰える時にしか動かない民衆を見ていると、貧しいというより卑しい印象を持ってしまう。

選挙の時もそれを感じる。

フィリピンは選挙の投票率が高く、選挙権の行使により前向きに生きるというポジティブ感があるが、実は選挙に行くとオカニがバランガイから支給されるという裏があるのだ。

チップ文化も卑しさを増長させる要素となっている。

メーターを使わないボッタくりタクシーが多いのも、こういう受け取り上手な文化が行動に人々の行動様式を作っているように思える。

放置国家

また民衆を管理する側の行政も所詮同じ穴のムジナなので、全く責任感や継続性を感じられない。

たとえば、海外から戻って来たOFW達を14日間隔離施設へ閉じ込め、その後1カ月以上も放置プレーしていたのが最近明るみになった。

責任者は責任を取る人ではなく単に偉い人なので、ずさんな結果が永遠と繰り返される。

外出を規制するためのナンバーコーディング措置も発表する時は物凄く立派だが、その後はここでも放置プレー。

言われるままルールに従っている側がバカを見てしまう日常。

たまたま見つかった外出許可違反者には半日ズンバをやらせるという楽しそうな罰を課したりする。

うちの近所にやってくる配達や行商の人はもうとっくにマスクをしていない。

4月中旬ごろまでは非常事態な感じがしていたが、行政も市民も得意のダラダラ状態になってきている。

ECQ自然消滅?

その一方で、上記にあるツイッターのグラフが示すように他国が終息に向かう中コロナ新規感染者の増加が止まらない。

しかしながら、ワクチンや特効薬がまだ用意されていないうちに、経済危機だからという理由でECQを適当に解除しようとしている恐ろしい状況。

この惨事からフィリピンに住む私として何かを大きく学ばなければならない。

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モトボサツ

2年のセブ島ジャングル生活を経てビサヤ語を習得。その後タガログ語も同時に習得し、最後は英語という逆ばりメソッド。現在生命保険、医療保険コンサルおよびビジネス通訳を兼ねる。元セブの大学にて3年間ストリート系日本語教師の経験あり。

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