2018年JLPT(日本語能力試験)データ
国際交流基金(JAPAN FOUNDATION)による年2度(7月と12月)行われる日本語能力試験(JLPT)は毎年受験申込者数が順調に右肩上がり。
2018年では81か国286会場で試験が行われたが1,168,000人の受検者の申し込みがあった。
昨年のフィリピンではマニラ、ラグナ、セブ、ダバオ、カガヤンデオロの4つの会場で行われ、合計18227の受検申し込みがあった。
1984年から受検者数の推移グラフを見るとまるで飛行機が離陸するような曲線を描いている。

2019年7月7日試験のフィリピン申込者
昨年の7月の受検申込者数が7102名だったので37%強の増加。
試験レベル
N1からN5まで5段階の試験があり、N4とN5はビギナー、N3が中級、N1とN2は上級といった区分。
全ての試験問題が日本語で書いてあるので、ひらがな、カタカナ、簡単な漢字の理解が必要となってくる。
普段AtoZのアルファベットを使って生活しているフィリピン人にとって日本語の難解な文字を理解するのがハードルが高い。
この試験は読解と聴解で試されるので、インプット力が試される。
だからN4合格者でもこちらの言っていることはおおよそ分っても、会話のキャッチボールとなると難しい場面が出てくる。
しかし、N3の合格者から基本会話で困ることは少なくなる。
N1とN2の合格者に関しては下手な日本人よりもよほど仕事が出来たりする。
モトボサツ的勝手に能力分け
N4 簡単な日常会話の聞き取りが70%程度出来き、小学校高学年程度の文章読解力がある。(言い過ぎかも)
N3 簡単な日常会話の聞き取りが90%程度出来き、基本的な漢字の読み書きもでき、日本人に近づく。
N2 日本人相手に仕事ができるレベルで、漢字を使ったビジネスメールに対応できる。
N1 日本人とほぼ同格の能力。
日本語のすすめ
基本的にこの試験の意義は日本に迷惑をかけないフィリピン人を要請する試験であると考える。
そう言うといかにも上から目線的になってしまうのだが、つまり、日本で働くフィリピン人が日本人とうまくやるための試験なのだ。
たとえば、N3以上のレベルになると一般のフィリピン人と比べて、日本語の知識という枠を超えて、話せば分るようになる。
なぜ約束を破ると日本人は嫌がるのか、言い訳と説明の違いとは何かなど、常に日本人がフィリピン人とのカルチャーギャップによる摩擦を起こしているポイントを理解できるようになるのだ。
つまり、日本語を通じて日本人の思考回路や常識にアジャストできるようになる。
マニラに本社がある日系の某IT企業はN4を取らないと正社員に成れないところがある。
その代わり給料は一般フィリピン企業の3倍以上ある会社だ。
そこの社長曰く、「日本語が必要というより、日本語を通じて日本人の思考回路になってもらうようにこの制度を導入した」とのことだ。
そういう意味でJLPTを本採用に導入するのは私も超納得。
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