フードパンダの闇
これは事件というよりもフィリピンあるある怪現象とでも言った方が良いかもしれない出来事だが、先日の大停電でうちから徒歩圏内にあるシティスケープに1泊したのだが、その際晩飯をフードデリバリーアプリの「フードパンダ」経由でオーダーした。
その数日後、またティムは「フードパンダ」を利用したのだが、その際になんと発信先の住所をシティースケープにしたままポチっとしてしまったのだ。
当然だが、ドライバーは指定されたシティースケープ809号室へと向かって運ぶことになる。
最後の発注ボタンをポチっと押した後でティムは慌ててカスタマーセンター充てにメッセージを送った。
「グラブフード」と違い、ドライバーとのダイレクトチャットシステムがない。
ドライバーへ連絡をして配達先を変更させるという連絡が来たらしいが、待てど暮らせどドライバーはやってこない。
フードパンダのオーダー履歴を見ると、なんと配達済みになっているではないか。
着払いなので食べ物を受け取って食べるには支払いが必要なのだが、画面では一応全部済みになっている。
【どうなってんだ🤣】
うちのフィリピン嫁がフードデリバリー(Food panda)で食い物オーダーしたのだが、前回利用した住所のままやっちゃった。しかし、履歴によると配達された食い物が受け取られている😑#渡りに船#食いしん坊#来るもの拒まず#俺なら無理#配達先の確認課題 pic.twitter.com/uk4KXHmmOW— モト ボサツさん【子供と成長中？】 (@motobosa02) December 19, 2019
そうツイッターで呟くと同じセブに住む方がタピオカの注文でも同じことが起きたとリプライ。
いきなり自分が注文してないタピオカが配達されてくる。
見たら飲みたくなったのか？
普通飲むか？
日本の常識は世界の非常識？
しかも着払いで！？
画面上は配達済になっているが、配達先不明の場合闇から闇に葬り去られる可能性もある。
フードパンダとグラブフードの違い
いまフィリピン在住者が大いに使っているフードデリバリーアプリだが、2019年12月現在では「フードパンダ「と「グラブフード」の2択状態となっている。
フードパンダは2012年5月にシンガポールで誕生し、現在はドイツの会社に買収され本部はベルリンに位置する。
一方グラブフードは配車サービスGRABのフードデリバリー部門のサービスとして市場を拡大しているサービスだが、こちらもシンガポールで誕生している。
シンガポールがワールドビジネスのリーディングカントリーであることはフィリピンにいると分かり易い。
若い人が海外就労を目指すならフィリピンより断然シンガポールだろう。
フードパンダは顧客と会社という従来型の関係性だが、グラブフードは顧客とドライバーの関係となる。
グラブのドライバー曰く、ドライバーが自腹で仕入れ配達するので配達し終わるまでのリスクを全面的に負う。
つまり注文をゲットする所から集金するまでドライバーは独自のビジネスとなるのだ。
自分で仕事を選んで自分で集金させる。
グラブは一切責任がない。
自分の商売なら顧客満足度も大事だ。
いちいち対応をレーティングされるので、もし変なことをすると自分の評価に傷がつき、次から顧客に拒否られる可能性があるからだ。
一方フードパンダは全て会社が雇っている単なるライダーという形なので全てはフードパンダのオペレーション次第だ。
だからフードパンダのオペシステムがフィリピンクオリティだと配達先を間違ったという情報がドライバーへ伝わらない。
ティムは誰かが食ったと怒っているが、実際は受取人不明によりドライバーが食った可能性がある。
もちろん画面には配達済という謎の情報が掲載されているのだが。。。
ここで一気にまとめると、グラブフードの方が顧客にとって透明性が高くイライラすることが少ないように思える。
顧客もドライバーもフードデリバリーという運命共同体になれるのだ。
追伸
知人がやっている飲食店もフードパンダと提携をしているのだが、グラブフードに比べてかなり高圧的らしい。
調理に時間がかかったりするとフードパンダ側から上から目線の苦情が凄いとのこと。
一方、グラブフードはあくまでドライバーとの関係性なので店にとっても都合が良いらしい。
パイオニア的な存在であるフードパンダは後発のグラブフードに市場を独占されてしまい、起死回生の大胆ディスカウント攻撃で息を吹き返したが、もう少し顧客側に立ったサービスを展開しないと生き残れないだろう。
そのうち、フードドットコムみたいに今どっちのアプリで買うのがお買い得かというアプリが登場しそうな予感。
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