スミロン島のチェックアウトは午前11時。
それからすぐに帰りのボートへ乗り込んだ。
スミロン島の船着き場からセブ市まで約120kmの道のり。
日本だとパッと高速道路で1時間でたどり着ける感覚なののかもしれないがセブでの移動はカゴで移動する江戸時代と感覚的にあまり変わらない。
途中で山賊の代わりに食べ物を売りにバスへ行商のオヤジが乗り込んでくる。
乗り込んで2時間経過し、だんだん尿意をもよおし始めた。
「いやいや気のせい!」
自分にそう言いきかせ始めた。
カワイイちゃんのようにオムツを装着しているわけじゃないので必パタイ(人間の最後に訪れる儀式)だ。
私より先に乗っていたフィリピン人達を見渡しても平気な顔をしている。
キャツ等の膀胱一体どうなってるんだ?
私はバスの中で放映されていた映画に集中することにした。
1本目が終わった。
2本目はカンフーパンダ。
パンダが画面で暴れるたびに尿意が増す。
スマホのモバイルデータを利用して現在位置を確認するとまだ半分も来ていないじゃないか!?
絶望的な苛立ち。
隣のババエがしきりに1Lボトルのアイスティーを飲むのが、まるで私の膀胱に注ぎ込まれるようで嫌だった。
睡魔に襲われ意識がふと遠くなる瞬間があったが、寝たら最後な気がして歯を食いしばった。
寝ていたカワイイちゃんが起きて、ティムの膝を下りてこっちへ来た。
「パパ~」
もちろん、尿意よりカワイイちゃんの方が大事だ。
ここは日頃の修行の成果を見せるときとばかり、カワイイちゃんを膝の上であやしてみせた。
喜んでピョンピョン跳ねる。。。
そのたびに膀胱が刺激され非常に切ない。
隣のババエの持っているアイスティーが小便に見えてきた。
幻覚か!?
しかし、私より先に乗っておいて、未だに全然平気な顔をしている。
フィリピン人の膀胱は日本人よりデカい?
時計を見ると乗り込んで3時間。
カワイイちゃんが私の膝を飽きてティムの方へ移動。
あと1時間でこの無間地獄から解放される。
急に物凄い渋滞が始まった。
GPSで現在地を確認すると、まだMinglanillaだ。
一体俺はどうなってしまうのだろうか?
小便が体の細胞へ逆流して来たのか指が浮腫んできやがった。
若干頭痛もする。
ダメ元で”オシッコを我慢する方法”というキーワードを入れて検索してみた。
そういえば、そんなアホなキーワード検索生まれて初めてかもしれない。
★尿意を感じたとしても、まだ膀胱には余裕があるはずなので、膀胱壁の「移行上皮」に伸びろー、伸びろーと念じる(構造上、あながち嘘ではない。要練習......)
☆『ディエンチャン』なるベトナムの民間ツボ押し療法。「アゴの中央」に「尿量を減らすツボ」があるというので、考えているふりなどして、指やこぶしでさりげなく押す(要練習......)。
★ふだんから骨盤底筋運動などで、最終的に排尿するしないを左右する筋肉「外尿道括約筋」を鍛えておく。布団の中などに横たわった状態で、外尿道括約筋に5~10秒くらい力を入れてはゆるめるを10~30回。
☆足を肩幅より開き、上半身まっすぐでガニ股スクワット。15~20回程度で尿意がひっこむ(こうして少しずつ尿を我慢し、大脳に尿意を知らせる容量を増やしていく)。
「骨盤底筋運動」や尿意を我慢する「膀胱訓練」は、尿失禁治療の方法として一般的です。あながち「膀胱の移行上皮、伸びろー」を念じるのも間違いではないですね
ふだん膀胱壁はあんがい分厚く1.5センチくらい。
破裂するイメージが強かったが、この情報のおかげで勇気付けられた!
バスは渋滞を抜け、タリサイからラバンゴンへ向かう。
この勝負貰った気がした。
膀胱の容量は人によって違うが約500ml(状況によってはなんと1リットルまで!)ためることができ、4/5くらいまでたまると内圧で膀胱壁が伸び、大脳に信号が送られ、尿意を感じて排尿にいたります。
尿意と戦って2時間ちょい。
勝利への脱出。
左側にスーパーメトロが見えた。
左腕のGショックは16時40分。
渋滞が本格的に始まるまでにバスターミナルへ着ける気がする。
そして、ついに16時50分。
バスはターミナルへ到着。
4時間20分の過酷を極めたバスの旅。
私は荷物を持ったまま、5ペソの小汚い有料トイレへ突入。私は我がトマホークをチャックからモロだし、まるでランボーのように心の中で雄叫びをあげながら小便器へ放尿してやった。
安堵というより、2時間以上も小便拷問にかけれたことへの憤りと怒りの炸裂だ。
セブでバス旅行に行くなら膀胱を鍛えて行くべし!
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